音楽雑誌と政治の季節―戦後日本の言論とサブカルチャーの形成過程

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音楽雑誌と政治の季節―戦後日本の言論とサブカルチャーの形成過程

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  • サイズ 46判/ページ数 392p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787235381
  • NDC分類 764.7
  • Cコード C0036

内容説明

「ニューミュージック・マガジン」などの1970年前後のオルタナティブな批評誌で展開された議論や論争を読み込み、ポピュラー音楽と社会状況との関係を明らかにする。音楽が“情況”や運動とどう対峙したのかを描くことで、戦後日本が抱える内なる他者や“アメリカ”の変容をあぶり出す。

目次

序章 “他者”の到来(問題設定;先行研究―領域ごとの先行研究の整理;本書の構成)
第1章 「音楽誌史」概観(一九六九年四月「ニューミュージック・マガジン」創刊;ジャズからビートルズヘ―「ミュージック・ライフ」(占領期―一九六五年)
「嗜み」から「愉しみ」ヘ―大阪労音、「うたうたうたフォークリポート」
一九六九年―「フォークリポート」から「ニューミュージック・マガジン」「新宿プレイマップ」へ
一九七九年の誌名変更
結びにかえて―ポピュラー音楽をめぐる現在の「情況」)
第2章 「ニューミュージック・マガジン」の一九六九年―七〇年前後のメディア環境(ポップの波打ち際―一九六九年の社会、経済、メディア状況;音楽メディアの新たな時代;「ニューミュージック・マガジン」の一九六九年)
第3章 雑誌メディアの“情況”と“運動”、“他者性”をめぐる問題―「ニューミュージック・マガジン」一九七〇―七四年(「覆刻」された創刊号―一九七〇年代初期の出版をめぐる情況;「ニューミュージック・マガジン」をめぐる“情況”;“他者”の変容―シンボルからシステムへ)
第4章 “情況”とサブカルチャー―雑誌「試行」をめぐる文化論的考察(サブカルチャーのなかの“情況”;「試行」創刊をめぐる“情況”;「試行」同人解散、単独編集に至るまで;“大衆化”への応答;“大衆化”とサブカルチャー―「周縁文化」の時代;“大衆化”とアイロニー)
第5章 雑誌と“敗北”―「試行」と「ニューミュージック・マガジン」、サブカルチャーのなかのアイロニー(二重の“敗北”―一九六〇年安保闘争;“敗北”とサブカルチャーの接続(1)
“敗北”とサブカルチャーの接続(2)
ジャズからロックへ―「ニューミュージック・マガジン」創刊前夜
一九六九年四月「ニューミュージック・マガジン」創刊
“敗北”という起点
“敗北”の記憶)
第6章 成長と運動の時代における“他者”の変容―オルタナティブなメディアはなぜ一九七〇年前後に生起したか(“アメリカ”の存在;一九七〇年前後という時代(1)―「六〇年安保」と「大学紛争」
一九七〇年前後という時代(2)―アメリカの対抗文化と「ベトナム反戦」
一九七〇年前後(3)―「テレビ、お前はただの現在にすぎない」
一九七〇年前後(4)―ベ平連の活動から生まれた「週刊アンポ」
考察
結論)
第7章 出版研究における“場”の理論導入の可能性―ブルデュー『芸術の規則』を手がかりに(問題設定―本章の射程;“場”の概念;“文学場”とは何か;雑誌の“場”―“場”の概念を応用する;“場”の概念を出版研究に導入する;結論)
第8章 雑誌のなかの“基地”表象―一九七〇年前後のメディア情況からの考察(問題設定―本章の射程;内なる“他者”―“基地”の表象;“他者”の変容;“運動”する雑誌;室謙二と中村とうようのやりとりからみる“他者”概念の変遷;結論)
終章 音楽雑誌と政治の季節(“アメリカ”という「問題」―ある作家の「転向」;江藤淳の苛立ちと村上龍の“転向”;「象徴」から「体制」、そして「敗北」のその後へ)
補論 北中正和氏インタビュー:音楽と批評―戦後日本のポピュラー音楽環境と「ニューミュージック・マガジン」をめぐって

著者等紹介

山崎隆広[ヤマザキタカヒロ]
1969年、群馬県生まれ。群馬県立女子大学文学部教授。専攻はメディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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阿部義彦

15
本書では69年に創刊された「ニューミュージックマガジン」を中心に、「ミュージックライフ」「試行」「ロッキンオン」「朝日ジャーナル」「週刊アンポ」などのサブカル雑誌界隈の動きを含めて、オルタナティブなあの時代特有の社会的情況を炙り出している。「ニューミュージックマガジン」が「ミュージックマガジン」(80年から)と名前を変えるまでのおよそ10年間に何があったか(日本語ロック論争、ベトナム戦争、etc)を紐解く。唯著者は大学教授でこれが初の単著という事もあり、イマイチこなれてなく、読むのに苦労しました。2024/07/28

しゅん

8
1969年に創刊された「ニューミュージックマガジン」という同人的な音楽雑誌が、どのようにして「政治」のエッジとなったのか。吉本隆明による『試行』の影響などを調べつつ、「アメリカ」という他者がロックを通して主題化された経緯を描いていく。共産党を非難する新左翼派の『試行』が、文壇が共産党シンパ中心だったために傍流へ押し流された、という認識は今までなかった。政治的敗北の後に文化がうまれ、文商業的に成功する法則は興味深い。1980年代の糸井重里も1930年代の「文學界」も同じパターンをなぞっている。 2024/09/19

hirokoshi

0
「14歳から知る日本戦後政治史」で、戦後アメリカ文明から強い影響を受けてきた日本にとって60〜70年代の文化は独自のもので現在の文化の礎になっているというのを読んで気になっていたのでピッタリのテーマだった。「音楽に政治を持ち込むな」がいかに音楽という文化を知る気のない言い分だとよくわかる。「お前はただの現在に過ぎないーテレビに何が可能か」を受けての「<現在>であり即興(アドリブ)であり、そして非芸術、反権力であるということ。それはまた<日常>であり、大衆的であることをも意味するだろう」とか、2024/12/20

みんな本や雑誌が大好き!?

0
ここに出てくる音楽雑誌というのは、「ニューミュージック・マガジン」です。私は読んだ記憶がありません。「積ん読」したこともないと思います。 ということで……。ざっと読んだのですが、さほどの感銘を覚えることはありませんでした(これは著者の責任ではなく、こちらの「音楽雑誌」への知識不足故のことです)。 反戦歌や歌声喫茶に見る「容共リベラル」的な音楽の歴史的変遷については、まだ面白く読むことができました。レジスタンスとしての音楽というのも世の中にはあったのでしょう。反体制ロックとか? 2024/10/20

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