出版社内容情報
フランスは柔道の強豪国として知られている。オリンピックでのメダル獲得数も多く、その高い競技力と競技人口の多さ、事故の少なさなどから、日本で柔道先進国として紹介される。だが、イメージで語られることが多く、フランス柔道の実態や教育との関わりは日本でほとんど知られていない。
本書ではまず、フランス柔道の現在を紹介する。柔道クラブのエピソードからひもとき、競技人口や指導者数などの実情、学校教育や課外活動との関わり、フランススポーツ界での柔道の位置づけを丁寧に概説する。そのうえで、日本の講道館柔道とはまた違った柔道を確立した歴史的な歩みをたどり、洗練されてきた指導法や昇段試験などの制度、教育方法も通時的に検証する。
日本における柔道と教育との関係を確認したうえで、日仏を比較し、教育を基軸にするフランス柔道のありようと日本の柔道が抱える問題点を明らかにする。
内容説明
高い競技力と競技人口の多さ、事故の少なさなどで知られるフランス柔道。歴史や教育との結び付き、学校制度との関係、指導法や昇段試験の内実などを紹介して、実情を多角的に照らし出す。日本の武道教育や部活動と比較して、日本の柔道が抱える問題点も明らかにする。
目次
第1部 フランス柔道の現在(二つの柔道場からみるフランス柔道;フランス柔道の組織概要;現代フランスの学校教育と課外活動―スポーツの場合;現代フランス社会とスポーツ)
第2部 フランス柔道の教育システムの成立(フランスにおける柔道の確立;フランス式柔道の統一;フランス柔道と教育の接近)
第3部 フランス柔道の教育観―日本柔道との比較を通じて(日本の伝統文化と柔道教育の矛盾;戦後日本における柔道の大衆化と高度化―全国中学校柔道大会の歴史を中心に;柔道教育からみたフランスと日本)
著者等紹介
星野映[ホシノウツル]
早稲田大学グローバルエデュケーションセンター講師。専攻はスポーツ史、スポーツ社会学
中嶋哲也[ナカジマテツヤ]
茨城大学教育学部准教授。専攻はスポーツ人類学、武道論
磯直樹[イソナオキ]
東京藝術大学社会連携センター特任講師。専攻は社会学史、社会調査
小林純子[コバヤシスミコ]
南山大学外国語学部教授。専攻は教育社会学、フランス地域研究
有山篤利[アリヤマアツトシ]
追手門学院大学社会学部教授。専攻は体育科教育学、スポーツ社会学、武道論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
kenitirokikuti
志村真幸
Akio Kudo