出版社内容情報
大相撲は行司の軍配に合わせて蹲踞(そんきょ)の姿勢で仕切り、両力士が互いに呼吸を合わせて立ち合って(同調)、力と技をぶつけ合う(競争)。
剣道も蹲踞で向かい合って切っ先を合わせてから(同調)、文字どおりに「つばぜりあい」を繰り返しながら打ち合う(競争)。
著者はそれらを「同調」と「競争」と規定して、「同調」と「競争」とを二重に備える身体の潜在的なはたらきとはどういうものなのか、身体の二重性をどうやって利用すれば自分に有利になるのか、を身体論はもちろんのこと、歴史的な指南書も参照しながら考察する。
自分が主体になって相手=敵にはたらきかけ、力づくでねじ伏せる技術とは対極にある武術独特の技術を、引退したイチローや体操の内村航平なども例にしながら分析して、「柔よく剛を制する」武術のダイナミズムを解説する。
内容説明
武術では互いに呼吸や動きを合わせて立ち合い(同調)、力と技をぶつけ合う(競争)。それら同調と競争とを二重に備える身体の潜在的なはたらきと、その二重性をどうやって利用すれば自分に有利になるのか、を身体論はもちろんのこと、歴史的な指南書も参照しながら考察する。
目次
第1章 「同調」を取り入れた戦い方
第2章 剣術における「同調」と「競争」の戦略的展開
第3章 「水月移写」にみられる身体感覚の二重性―同型同調から応答同調への転換
第4章 柔術―身体的関係性を操作する
第5章 剣術における「精神修養」の目的化―剣道界の自己矛盾
終章 研究の要約と敷衍
著者等紹介
西村秀樹[ニシムラヒデキ]
1954年、愛媛県生まれ。九州大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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