社会的分断を越境する―他者と出会いなおす想像力

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  • サイズ A5判/ページ数 281p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784787234117
  • NDC分類 334.4
  • Cコード C0036

出版社内容情報

移民、難民、テロ、犯罪、ヘイトスピーチ――国内外の具体的事例と現場を「越境」と「想像力」という視点から読み解き、そこに潜む問題性を浮き彫りにする。社会的分断を乗り越えるために、私たちの想像力をバージョンアップするアクチュアルな成果。

世界を再想像する テッサ・モーリス=スズキ



解題 他者と出会いなおし、世界を想像しなおす 塩原良和



序章 越境的想像力に向けて 塩原良和

 1 共感と想像力

 2 社会学的想像力と歴史的想像力

 3 ナショナルな想像力の限界

 4 社会階層と想像力の制約

 5 リアリティの分断とスティグマ化

 6 想像力を「越境」させる

 7 本書の構成



第1章 越境者・媒介者・コスモポリタンをめぐるリアル・ユートピア――長野・宮城・バンクーバーにおける移住者たちのトランスナショナリズム 西原和久

 1 日本農村にみられる越境者――交流の諸相と媒介者の発見

 2 震災被災地・宮城の越境者たち――外国人被災者と媒介者

 3 出移民と媒介者たち――オイジンとカナダ移民を中心に

 4 多文化社会の再検討と媒介者の変容――国家主義を超えて



第2章 民間外交と移民――戦間期の日米経済人交流を事例として 辛島理人

 1 移民のはじまりとしての開国

 2 日本の民間経済外交

 3 アメリカの排日運動

 4 渋沢栄一の対米民間外交

 5 パナマ運河の開通とサンフランシスコ万博

 6 日米関係委員会

 7 排日移民法

 8 その後



第3章 移民史と海事史を越境する――二十世紀初頭のアメリカ諸港における日本海員の「脱船」を事例として 栢木清吾

 1 渡米手段としての脱船

 2 日本の出国管理を潜り抜ける海員の移動

 3 脱船の防止策と失敗



第4章 「避難民」としての越境――神戸の白系ロシア人の事例から 中西雄二

 1 白系ロシア人を取り巻く情勢と諸制度

 2 神戸の白系ロシア人社会の形成

 3 就業状況と日本社会との関わり

 4 戦後の白系ロシア人社会



第5章 コロニアル・クリミナリティの系譜学――韓国・朝鮮人への蔑称から探る「継続する植民地主義」 ジョエル・マシューズ[鈴木弥香子訳]

 1 日本で作られた「朝鮮学」

 2 日本宗主国への「転移」

 3 日本の統計学の発展と「不逞鮮人」言説

 4 ポストコロニアルな空間に残存する植民地主義



第6章 反知性主義、未決性、互酬性から希望へ――ヘイトスピーチでの「分断」から考える 川端浩平

 1 ヘイトスピーチの現場から見えてくる奇妙な三角関係

 2 ヘイトスピーチと「分断」

 3 ストリートから消え去った者たちの現在

 4 反知性主義に向き合うことから見えてくる未決性と希望



第7章 反税運動と移民排斥運動にみる福祉ショービニズム――デンマークにおける「租税同意」の歴史的経緯から考える 倉地真太郎

 1 「納税者の反乱」から「移民排斥運動」への文脈

 2 地方財政と多様なニーズ



第8章 風刺と宗教――ポスト世俗化時代のデモクラシー 清水知子

 1 揺れる欧州、回帰する神々

 2 世俗主義の系譜とその破綻――問いなおされる公共圏

 3 変貌する戦争とテロリズム

 4 狂信者とは何者か――寛容と暴力の行方

 5 文化の翻訳と赦し



第9章 多文化共生概念が「禁止」するもの――ブラジル人集住地区のリアリティ 山本直子

 1 X地区とブラジル人

 2 エスニック・コミュニティの役割の変化

 3 多文化共生の名のもとで



第10章 「根のあるコスモポリタニズム」へ――グローバル化時代の新たな試練と希望 鈴木弥香子

 1 なぜコスモポリタニズムは再び注目されたのか

 2 「根のないコスモポリタニズム」?

 3 コスモポリタニズムが抱える歴史的・文化的問題性

 4 「根のあるコスモポリタニズム」



第11章 阪神・淡路大震災を「想像し続ける」歴史実践のために――「一九九五年生まれ」の空間性と帰属感覚 稲津秀樹

 1 阪神・淡路大震災の空間と神戸・長田の「土壌」

 2 軌跡の可視化と不可視化の間――復興まちづくりのなかで

 3 「一・一七のつどい」を行き交う軌跡の渦へ

 4 「一九九五年生まれ」の空間性と帰属感覚――まとめにかえて



あとがき――もうひとつのまえがき 稲津秀樹

塩原 良和[シオバラ ヨシカズ]
1973年、埼玉県生まれ。慶應義塾大学法学部教授。専攻は社会学・社会変動論、オーストラリア社会研究。著書に『変革する多文化主義へ』(法政大学出版局)、『共に生きる』(弘文堂)、翻訳書にガッサン・ハージ『希望の分配メカニズム』(御茶の水書房)など。

稲津 秀樹[イナヅ ヒデキ]
1984年、兵庫県生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)。専攻は社会学、カルチュラル・スタディーズ。共著に『カルチュラル・スタディーズで読み解くアジア』(せりか書房)、『フィールドに入る』(古今書院)、『排除と差別の社会学[新版]』(有斐閣)など。

内容説明

貧困や格差の拡大、テロ/人種差別といった剥き出しの暴力と排外主義の台頭、他者へのバッシング―。社会的な分断を乗り越えるための私たちの想像力をバージョンアップするアクチュアルな成果。

目次

越境的想像力に向けて
越境者・媒介者・コスモポリタンをめぐるリアル・ユートピア―長野・宮城・バンクーバーにおける移住者たちのトランスナショナリズム
民間外交と移民―戦間期の日米経済人交流を事例として
移民史と海事史を越境する―二十世紀初頭のアメリカ諸港における日本海員の「脱船」を事例として
「避難民」としての越境―神戸の白系ロシア人の事例から
コロニアル・クリミナリティの系譜学―韓国・朝鮮人への蔑称から探る「継続する植民地主義」
反知性主義、未決性、互酬性から希望へ―ヘイトスピーチでの「分断」から考える
反税運動と移民排斥運動にみる福祉ショービニズム―デンマークにおける「租税同意」の歴史的経緯から考える
風刺と宗教―ポスト世俗化時代のデモクラシー
多文化共生概念が「禁止」するもの―ブラジル人集住地区のリアリティ
「根のあるコスモポリタニズム」へ―グローバル化時代の新たな試練と希望
阪神・淡路大震災を「想像し続ける」歴史実践のために―「一九九五年生まれ」の空間性と帰属感覚

著者等紹介

塩原良和[シオバラヨシカズ]
1973年、埼玉県生まれ。慶應義塾大学法学部教授。専攻は社会学・社会変動論、オーストラリア社会研究

稲津秀樹[イナズヒデキ]
1984年、兵庫県生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)。専攻は社会学、カルチュラル・スタディーズ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Kei Takenami

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深く現代を洞察して、いまとは違う別の世界への手がかりを示している。「社会的分断を越境」「他者と出会いなおす想像力」ことばが生き過ぎていてぞくぞくする。いま社会学分野で一番未来にちかい論文集に相違ない。2017/06/18

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