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内容説明
「テレビは戦後に出現したメディア」というイメージが強く、「ラジオの時代」「映画の時代」と考えられがちな戦前・戦中の日本だが、実は、アマチュア・興行師・技術者・政治家などの多様なアクターがテレビジョンという技術に魅了され、社会的な承認を獲得しようと技術革新を目指していた事実を掘り起こす。「戦後・街頭テレビ・力道山」という放送史の神話によって忘却されたテレビジョンの近代を丹念に跡づける技術社会史。
目次
第1章 アマチュアリズム―「趣味」のテレビジョン(「テレビジョン」の初期衝動;ラジオの公開実験、路上のモダニズム;テレビジョン・アマチュアの興亡―啓蒙家としての苫米地貢)
第2章 パブリック・ビューイング―早稲田大学の劇場テレビジョン(アマチュア無線文化の残滓から、帝国科学の権威へ;のぞいて見るか、あおいで見るか―浜松vs早稲田;「興行価値百パーセント」―モダン都市の野球テレビジョン)
第3章 テクノ・ナショナリズム―逓信省電気試験所のテレビジョン電話(不遇の「テレビジョン行脚」;北は樺太から南は台湾まで―テレビジョンの「技術報国」;テレビジョン電話のまなざし)
第4章 皇紀二千六百年―日本放送協会の実験放送(「幻の東京オリンピック」を超えて;実験放送の「番組」と「編成」;祭りのあと)
第5章 戦後への遺産―NHK、日本テレビ、そしてアマチュア(「テレビジョン」から「テレビ」へ―NHKによる公開実験;公開実験から街頭テレビへ―「放送史」の始まり;アマチュアリズムの行方―趣味のテレビジョン、再び)
著者等紹介
飯田豊[イイダユタカ]
1979年、広島県生まれ。立命館大学産業社会学部准教授。専攻はメディア論、メディア技術史、文化社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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