内容説明
メスを使わないプチ整形の流行、一重まぶたから二重に、シミ・しわの除去、豊胸手術・整鼻手術―人はなぜ美容整形へ向かうのか。「美しい/醜い」「普通/普通でない」「グローバル/ローカル」といった二項対立のせめぎ合いのなかで社会的・文化的に成立する美容整形の価値観に、西アフリカ・韓国・日本でのインタビュー調査などから迫り、「普通になりたい」「きれいになりたい」「秘密にしておきたい」といった多様な声を紹介する。そして、近代以前の社会の通過儀礼としての身体加工と、近・現代社会の「わたしの身体」を絶え間なく改善する志向=再帰性の狭間の実践として美容整形を捉え、そのつどの状況と関係のなかで立ち現れる流動的で相互作用的な身体と自己像について提起する。
目次
第1章 美容整形の横顔―日本も整形大国!?(身近になった整形;世界トップ10入りか!? ほか)
第2章 文化としての美容整形―加工しない身体はない(身体加工の普遍性と多様性;ブルキナファソの瘢痕文身 ほか)
第3章 美容整形の歴史―白人美のグローバル化(西欧から世界へ;日本における展開 ほか)
第4章 “普通”を望む人たち―日韓比較から見るローカルな文化の影響(日本―「普通」と「秘密」;韓国―「普通?」と「正直」と「必要なければ言わない」 ほか)
第5章 ビフォーアフター、アフターアフター―身体の地平(「整形リピーター」;生まれ変わる ほか)
著者等紹介
川添裕子[カワゾエヒロコ]
東京都生まれ。松蔭大学観光メディア文化学部教授。専攻は文化人類学、医療人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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