内容説明
ウェブを筆頭に社会の新たなインフラが発展・定着したことで恋愛事情も激変した。2010年と11年の公開シンポジウム録と充実の書き下ろし論考から恋愛の生態系をとらえ、恋愛のアーキテクチャをデザインすることの可能性を探る。
目次
第1部 恋愛のカタチ(恋愛のアーキテクチャ;アーキテクチャとしての恋愛)
第2部 恋愛を考える(“足跡”過多時代の恋愛構造;恋愛の場所;“事実上の”カノジョの台頭;AKB48と恋愛―なぜ恋愛よりもAKBにハマってしまうのか)
著者等紹介
櫻井圭記[サクライヨシキ]
1977年生まれ。アニメ脚本家
濱野智史[ハマノサトシ]
1980年生まれ。情報環境研究者
小川克彦[オガワカツヒコ]
1954年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
センケイ (線形)
2
ただでさえ興味を惹かれる恋愛というテーマだが、web により大いに揺るがされている時流を考えれば、まさに現れるべくして現れた書籍ではなかろうか。ロマンスや片思いといった恋愛のエッセンスの部分は市場によって巧みに構造化され、単独で切り出されるにも近い状態があるように感じられてくるが、これに対してどのように向き合っていくのか。もちろん肯定的な捉え方もいろいろにあり得る。とにかく現状がそうであるからには、それを楽しみ、利用し、そのなかでやり繰りする。そのヒントが豊富にあるこの本には、実践的な希望をも感じられる。2017/07/11
💓
1
AKB論おもしろかった。若い人が恋愛をイデア化してるのは納得した。恋愛にSNSが向かないのは薄々わかってたけど、その理由を論理的に知れたのは良かった2017/04/20
KakeruA
1
一見、真逆に思えるが、ロマンチックラブ・イデオロギーがセフレ、バーチャル彼女に接続するという社会構造が明快に整理されている。原理主義に走る現代人が参加障壁を高く積み上げた結果、「未満」と設定した空間が広がり、現実性を帯びてゆくというのは恋愛以外でも同様と言えるだろう。2013/07/22
MG
1
濱野智史のAKB論が秀逸。握手会や選挙により生活世界とシステムを統合し、前田敦子や大島優子という謎の責任感あふれる主体を産み出し、それにコミットさせるのがAKBだと。今後のAKB論にも期待です。2012/10/29
まゆまゆ
1
鼎談を再構成した内容と、それに関連した解説文の二本立て。ネットの登場で恋愛がどう変わっていったか、現代の若者たちの恋愛観はどうなっているか考えるのと同時に、外部効果から与えられる影響をひもとこうとする内容。読み物としては面白い。2012/10/16