ポストコロニアリズムとジェンダー

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ポストコロニアリズムとジェンダー

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784787233134
  • NDC分類 367.21
  • Cコード C0036

内容説明

占領期沖縄の売買春と日本軍「慰安婦」問題を具体的な素材にして売買春と女性の主体性について精緻に分析し、植民地主義とジェンダー・セクシュアリティの関係性を浮かび上がらせる。沈黙と分断を超えるためのポストコロニアル・フェミニズム研究。

目次

第1部 売買春・戦争とフェミニズム(売買春をめぐる「自由意志対強制」の神話―一九九〇年代社会学の論争から;戦争と女性―ポストコロニアル・フェミニズムと沖縄・「慰安婦」)
第2部 軍事占領期沖縄の性暴力と売買春(軍事占領社会における売買春管理―売春禁止の言説と住民弾圧;Aサイン制度のポリティクス―女性の「自由」の裏側で;挿入される国家と女性の分断―反売春運動の軌跡と売春女性の痕跡)
第3部 日本軍「慰安婦」問題(英雄と売春婦を構築するナショナリズム―スピヴァクのサバルタン論から;検閲する力と触発する力と―女性国際戦犯法廷・番組改竄問題;「慰安婦」問題とフェミニズム―女性の表象のプリズム ほか)

著者等紹介

菊地夏野[キクチナツノ]
名古屋市立大学人文社会学部教員。専攻は、社会学、フェミニズム理論、ポストコロニアル研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えんさん(연싼)@読書メーター

1
日本軍「慰安婦」問題を特殊な日本的事情と捉えると、運動に限界が出てくるのではないのか。著者は初っ端からこれまでの慰安婦問題に対する運動に疑問を投げかける。この本の主張は、朴裕河が「帝国の慰安婦」で帝国や国家、男性の問題として再度問いかけようとした部分と重なってみえた部分もあった。やはり単なる人権問題として戦時性暴力を見るのではなく、本書で取り上げられる沖縄の基地村の女性たちなど、女性が国家に利用されるし、需要もまた国家に作られることを留意しなければならないと再認識した。2015/06/01

えんさん(연싼)@読書メーター

1
新しい問題を提示する、というよりは慰安婦や沖縄の売買春をめぐる闘争といった事例から、いかに「女性」が分断されてきたのかが、整理されていた。慰安婦が〈自由意志か、性奴隷か〉という二元論で矮小化されてきたように、「女性」は被抑圧者となると同時に、抑圧者にもなるということを意識しなければならない。2015/05/22

ftoku

1
これまで女性の表象を掲げ権利を主張していたフェミニズムが抱えていた「分断」という限界を復帰前の沖縄の売買春と日本軍慰安婦問題を例にしてポストコロニアリズムの手法によって明らかにし、新たな方向性を指し示している。なかなか向き合う機会の少なかった問題だけに、勉強になった。2011/07/26

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