内容説明
個人化や私化が加速度的に進み、流動性・不確実性が高まった時代=ポストモダニティ・リキッドモダニティとして現代を把捉するバウマン社会理論の核心とは何か―。バウマンが道徳や倫理などの概念を見つめ直して連帯の新たな可能性を探っており、公共哲学としての社会学を構想していることを、著作をたんねんに読み込んで論証する。
目次
第1章 ポストモダニティ・道徳・デュルケム
第2章 道徳と政治のあいだ
第3章 道徳論の解釈をめぐって―批判的検討
補論 “公共哲学としての社会学”へのいくつかの途
第4章 政治と個人
第5章 道徳の理論と社会の理論
付論A 制度と社会学―デュルケム=ベラーの系譜から
付論B 社会批判の二つの形態―デュルケムとの関連で
終章 バウマン社会理論と個人の道徳性
著者等紹介
中島道男[ナカジマミチオ]
1954年、島根県生まれ。京都大学文学部卒業、京都大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、奈良女子大学文学部教授。専攻は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
べんべん
0
バウマンの社会理論を、倫理・道徳論を軸に検討する。諸々の現代社会批判を読み慣れていればとても読みやすいです。ポストモダニティの時代でこそ、近代において隠されていた道徳性の可能性が立ち現れるのではないか、という「現実がいかに必然だと見えようとも<可能的なもの>をはらんでいることを示していく」試みに心惹かれる。2012/06/21
gentleyellow
0
道徳から語るバウマン論。バウマンには(本書で傍流とされる)現代社会論のリキッドモダニティを読んでハマったクチなので、その更に下にこういう基礎があるんだってわかったことは大きな収穫だった。日本でいまバウマンについて検索したらこの本けっこう上位に出てくるし、こういう本が存在するってのはすごくいいことなんじゃないかな。勿論バウマンについて話すためでなく、道徳論について話すのにも有用。だってバウマンの道徳論だし、コミュニタリズム批判とか流行りも抑えてる,2012/04/17
-
- 洋書
- TARTES