内容説明
「男らしさ」「女らしさ」は時代ごとに形作られて、さまざまな主張・言説の渦に巻き込まれながら変化し続けてきた。天皇家族写真から和服や男性美をめぐる論争、大正期のインターセックスの語られ方、戦時下の「ミス・ニッポン」の身体イメージなどの多様な事例から、“性”や“身体”という連続体に裂け目を入れて分離しようとする力学を浮き彫りにする。
目次
第1章 元旦紙面にみる天皇一家像の形成
第2章 和服改良論と「女性美」―明治後期の女性の服装とその規範性をめぐって
第3章 文明化と“男らしさ”の再構築―一九一〇年代の「廓清」に見る性欲論
第4章 一九二〇年の「男性美」―「日本及日本人」の誌面から
第5章 『半男女考』―宮武外骨と大正時代の両性の接近
第6章 日本初のサイボーグ?―ミス・ニッポンと優生学と戦時下の身体
第7章 M検の言説史・戦後篇―あるいは男性身体の“侵襲的”経験はどのようにして忘却されるか
第8章 “娘”をめぐる欲望―宝塚の娘役についての一考察
第9章 まだ始まっていないこと、あるいはノラの奇蹟について
著者等紹介
荻野美穂[オギノミホ]
1945年、中国・青島生まれ。大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は女性史、ジェンダー論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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