ソシオロジー選書<br> 個人化社会

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ソシオロジー選書
個人化社会

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  • サイズ A5判/ページ数 355p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784787232885
  • NDC分類 361
  • Cコード C0336

内容説明

高度に情報化され、個々人の選択と責任がきわめて重視される現代社会を生き抜く人々のありようを「個人化」という視角から読み解き、家族や宗教、貧困、労働、自由、愛、セックス、暴力など多様な素材をもとに流動性が高まり不安定で不確実な社会状況を透視する。

目次

語られる人生、生きられる物語―ひとつの序曲
第1部 存在のあり方(労働の隆盛と衰退;ローカルな秩序とグローバルな無秩序 ほか)
第2部 思考のあり方(批判―私化され武装解除された;進歩―同じものと異なるもの ほか)
第3部 行為のあり方(愛は理性を必要とするか;私的な道徳と不道徳な世界 ほか)

著者等紹介

バウマン,ジグムント[バウマン,ジグムント][Bauman,Zygmunt]
1925年、ポーランドのポズナニのユダヤ人家庭に生まれる。ナチス侵攻によりソヴィエトに逃れ、第二次世界大戦後ポーランドに帰国。学界に身を投じワルシャワ大学教授となるが、68年に反体制的知識人として同大学を追われる。イスラエルのテルアヴィヴ大学教授などを経て、リーズ大学名誉教授、ワルシャワ大学名誉教授。現代の社会学界を代表する理論家である

澤井敦[サワイアツシ]
1962年、三重県出身。慶應義塾大学法学部教授。専攻は社会理論、社会学史、死の社会学

菅野博史[カンノヒロシ]
1965年、東京都出身。帝京大学文学部講師。専攻は理論社会学、社会システム論

鈴木智之[スズキトモユキ]
1962年、東京都出身。法政大学社会学部教授。専攻は理論社会学、文化社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

デンプシー

1
各トピックは非常に面白かったが、全体像が掴みきれなかった。ambivalenceへの対処として文化や様々な社会・経済制度が作られたが、グローバル化(→政府の退行、労使の別居など)や欲望(?→啓蒙)によって個人化社会が進んできており、むしろambivalentになっている。一応こう解釈をした。ただ、システムの問題の私化(個人への矮小化)や脱規制化がそこにどう関わるのか(chicken-and-egg problem?)、identity形成の話、依存と倫理の話などのセクションの位置づけ等、色々と疑問がある。2022/11/15

抹茶ケーキ

1
個人化した社会では、個人はリスクに自分一人で対処することが求められる。その重すぎる負担によって様々な問題が生じている。みたいな話。ベックやギデンズとも通底する問題圏。「現在では、不安定さは、選択したりしなかったりするものではない。不安定さは、宿命なのである」(213頁)。冷たい理論家だと思っていたけど、ヒューマニスティックな文章が所々に見えて面白かった。「人間社会の最も貧しい人々がその極貧状態から解放されなければ、その他の人々も、漠然と広がる不安や無力感から解放されることはありえない」(162頁)。2018/01/14

メルセ・ひすい

1
10. 25 個々人の選択と責任が重要視される時代のありようを、家族や宗教、貧困、労働、セックスなど多様な観点から論じ、不安定で不確実な社会状況を生き抜く人々の生を「個人化」という視角から読み解く。2008/07/25

デンプシー

0
折角なので再読。前回は全体像が掴めないとコメントしたが、あまり難しく考えずに、「個人化」とその裏返しである「不確実化」が進む社会を様々な観点で記述した本だと捉えて良さそう。本書のコミカルな語り口に隠されがちだが、人間の性向や社会の趨勢を変えるのはとても難しいことを考えると、個人化社会の行く末に悲観的にならざるを得ない。特に今回印象に残ったのは大学の危機について。市場原理に投げ込まれた大学が取りうる正反対の2つの手段はいずれも事実上撤退戦で、その状況を打開しうるのは大学の多様性との意見は心に留めたい。2022/12/04

. bunjin

0
2009年の論文の骨格になった本のひとつ。特に第一部「存在のあり方」は面白かった。第6章「私はあなたの弟ですか?」はソーシャルワークと福祉国家の問題を取り上げている。

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