国境を越える―滞日ムスリム移民の社会学

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国境を越える―滞日ムスリム移民の社会学

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  • サイズ B6判/ページ数 278p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784787232786
  • NDC分類 334.41
  • Cコード C0036

内容説明

外国人労働者たちは日本に来て、滞在し、ある者は定住してある者は帰国するなかでどのような経験をしているのか。滞日ムスリム移民の活力ある実態・現実を、来日から帰国後までを射程に収めて明らかにしたフィールドワークの成果。

目次

滞日ムスリム移民の軌跡をめぐる問い
第1部 移住と定住の分岐点(親族集団から個人へ―現代の遊牧民・トルコ系シャーサバンの日本出稼ぎ;創り出される労働市場―交錯する求職ネットワーク;「ガテン」系への道―労働への適応、消費への誘惑)
第2部 移民コミュニティと越境するネットワーク(越境する食文化―滞日ムスリムのビジネスとハラール食品産業;トランスナショナルな企業家たち―パキスタン人の中古車輸出業;イスラーム・ネットワークの誕生―モスクの設立とイスラーム活動)
第3部 ふたたび越境するという経験―故郷に帰ったムスリム移民(滞日経験のバランスシート―帰国の経緯とその後の状況;消費社会のスペクタクルとトランスナショナリズムの逆説―バングラデシュの移民家族と開発される欲望)

著者等紹介

樋口直人[ヒグチナオト]
1969年、神奈川県生まれ。徳島大学総合科学部准教授。専攻は移民研究、社会運動論、政治社会学

稲葉奈々子[イナバナナコ]
1968年、埼玉県生まれ。茨城大学人文学部准教授。専攻はフランス地域研究、移民研究

丹野清人[タンノキヨト]
1966年、茨城県生まれ。首都大学東京人文科学研究科准教授。専攻は移民研究、労働社会学

福田友子[フクダトモコ]
1973年、千葉県生まれ。東京都立大学社会科学研究科博士課程。専攻は移民研究、国際社会学

岡井宏文[オカイヒロフミ]
1980年、大阪府生まれ。早稲田大学人間科学研究科博士課程。専攻は移民研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

牛タン

4
主に'80年代終盤から'00年代はじめにかけて滞日していたパキスタン、イラン、バングラ移民の実態を追いかけたルポ集。移民の就労先として多いガテン系の世界を紹介したり、ムスリムの生活に同行し国内のムスリムネットワークを解明したり、日本に滞在していた移民たちの母国への帰国後の状況を追ったりと、面白い試みがたくさんなされている。世界的な資本の流れの一側面としての移民問題という切り口ではなく、個性を持った一人一人の人間としての移民たちのストーリーが描かれている。良い本だと思った2015/06/28

影実

2
積読本。主にイラン、パキスタン、バングラデシュなどのムスリム系移民の1980年代後半から2000年代前半にかけての動向を報告した一冊。日本での滞在の実態や構築されるネットワーク、母国への帰国後の動態をフィールドワークの形で調査している。ムスリム移民の活気あふれる活動や滞在時の苦労、調査した移民一人ひとりの人生に寄り添った報告は興味深い。専門的な内容ながら学術論文ほど難しくはなく、当時の移民の状況をうかがい知ることができる良著。2023/03/18

keepfine

1
6章 滞日ムスリムは宗教的要請に従って自力で宗教的基盤を整えてきた日本で唯一のニューカマーといってもよい。モスクのような礼拝施設が受け入れる側の社会との関係性の中で、ムスリムとしての生活を守る機能が付与されている。移民社会でのムスリムにとってのモスクの意味とは、1信仰の場、2文化社会的価値の継承、3出会いの場、4教育の場、5アイデンティティの付与、6イスラームのプレゼンスの強調。イスラームは宗教としての側面を持つとともに、ムスリムの生活そのものを規定する生活規範とも表現される。2019/02/28

くろまによん

1
移民についての新しい視点を与えてくれる一冊。2011/01/26

みるくちー

0
著者の1人にいただいた本。 そうそう、そうなんよ。って感じの本。2017/10/03

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