青弓社ライブラリー<br> 消費される恋愛論―大正知識人と性

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青弓社ライブラリー
消費される恋愛論―大正知識人と性

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787231888
  • NDC分類 384.7
  • Cコード C0336

出版社内容情報

人々の関心がより内面的なものへと向けられていった大正期に登場した知識人たちは、明治に輸入・翻訳された「恋愛」に何を見たのか。厨川白村の恋愛結婚論をはじめ、いまは忘れられた大正知識人たちの恋愛論を主軸に大正恋愛論の可能性と帰結を考察する。

序章 なぜ大正期の恋愛なのか  
 1 恋愛は輸入思想なのか
 2 恋愛スキャンダルから恋愛論ブームへ
               
第1章 元始日本に恋愛は存在しなかったのか
 1 本気の恋の果ては心中
 2 明治以前の性愛 
 3 明治国家の性の隠蔽化と知識人
 4 文明開化の逆説

第2章 北村透谷はなぜ死んだのか 
 1 恋愛=結婚の墓場論
 2 「性欲」の欠落した恋愛論
 3 情死にあこがれつつ一人死す
                 
第3章 大正恋愛スキャンダルはどうなったのか
 1 情死を見るまなざしの変化
 2 浮気と多角関係への嫌悪
 3 既婚女性の恋愛のゆくえ
 4 大正情死考

第4章 知識人は「恋愛」になにを見たのか  
 1 大正恋愛論成立事情
 2 人生における恋愛の位置      
 3 霊肉一致の虚像
 4 結婚は恋愛によるべきか否か
                     
第5章 厨川白村はなぜ売れたのか  
 1 象牙の塔を出でて
 2 恋愛を永続化させる法
 3 恋愛が結婚に必要な理由
 4 恋愛の名

内容説明

明治期に西洋から輸入・翻訳された「恋愛」は、大正期に情死や恋愛スキャンダルが多発したことによって現実と向き合わざるをえなくなった。恋愛に対する意識の変化が恋愛論の書き手と読み手の双方を涵養し、空前の恋愛論ブームが到来したのである。しかし、やがて一過性の流行品として消費され、大正恋愛論がもっていた因習の打破、個人の解放という方向性も失われる。本書は、平塚らいてう、北村透谷、有島武郎などの恋愛スキャンダルをたどり、知識人は「恋愛」になにを見たのかを考察し、恋愛ブームの主軸となった厨川白村の恋愛結婚論や、女がなぜ恋愛論に参入しなかったかなどの問題を論じながら、大正恋愛論が秘めていたその可能性と帰結を明らかにする。

目次

序章 なぜ大正期の恋愛なのか
第1章 元始日本に恋愛は存在しなかったのか
第2章 北村透谷はなぜ死んだのか
第3章 大正恋愛スキャンダルはどうなったのか
第4章 知識人は「恋愛」になにを見たのか
第5章 厨川白村はなぜ売れたのか
第6章 女はなぜ恋愛論に参入しなかったのか
終章 恋愛論ブームのあとになにが残ったのか

著者等紹介

菅野聡美[カンノサトミ]
1963年、神奈川県生まれ。1991年、慶応義塾大学大学院博士課程単位取得退学。放送大学講師、琉球大学講師をへて1998年から琉球大学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ユキ@うろちょろ

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近代の恋愛における新たな価値観の形成が大正期にあったことを踏まえ、恋愛事件、男性の理想と女性の現実、女性が恋愛結婚論に白熱しなかったことを文献と共に挙げる。時代の流れと共に、人々の恋愛に対する姿勢の変化が描かれているのが面白い。ただ全体的に当時の文献からの引用が多く、自分の意見として消化しきれていない印象を受ける。2012/09/28

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