出版社内容情報
少年は、なぜあのような凶行におよんだのか? 神戸児童連続殺傷事件を学校教育やメディアの問題として考えるまえに、まず少年の心の闇を視つめたい──公表された全資料から少年の心のなかに入り込み、そのパーソナリティー解明に迫る(なお、2001年5月に本書の改訂版『少年犯罪の深層心理』を刊行いたしました。)。
1 「地獄篇」――三角公園の事件
最後の登校日/激烈な怒り/少年Aの傷つきやすさ/報復の論理/私たちの周囲のミニ酒鬼薔薇/「地獄篇」的世界――亀とナメクジ/メラニー・クラインによる少年の基本心理/少年の根源的感覚――恐怖感/妄想的-分裂的ポジションの特徴/抑鬱的ポジション/罪悪感・共感の未発達/「つらい」という少年の言葉
2 二重生活――生育歴から
虐待者にして被虐待者/支配による愛/「やり返す」という気力/「真の自己」と「偽の自己」/症例ジュリー/サスケの物語/母親に対する愛情/なぜ両親には反抗しなかったのか/「選ばれた者」にして「呪われた者」/仲間集団が果たした役割
3 オナニズムの強迫
死への関心と反復強迫/症例サム/喪の作業/「死をもたらす者」というイメージの反復/快楽サデイズム/ネコ殺しとオナニズム/食欲の性
4 最初の犯行――内的幻想と解離
つけ回し事件/最初の凶行/現実とのあいだの壁、そして不連続レイン――精神病質/存在と無/認知意味論で読む「懲役13年」/中心気質との比較/観念操作/空想世界の比重/内面の死/感情体験の困難
5 血の造形と「見えるもの」へのる可視性の問題/犯行声明のあと/生
少年への手紙――あとがきに代えて
内容説明
神戸児童連続殺傷事件を学校教育やメディアの問題として考えるよりまえに、まず少年の心のなかに穿たれた闇を視つめたい―公表された全資料を精査して少年の生活史をたどり少年のパーソナリティーの解明にせまる、ひとりの臨床心理士のこころみ。
目次
第1章 「地獄篇」―三角公園の事件
第2章 二重生活―生育歴から
第3章 オナニズムの強迫
第4章 最初の犯行―内的幻想と解離
第5章 血の造形と「見えるもの」への意志
第6章 通り魔殺人事件・バモイドオキ神・酒鬼薔薇聖斗
第7章 男児殺害とフィロバティズム
第8章 燃えるキリン―犯行声明文解釈
感想・レビュー
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バタイモ
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