子どもというレトリック―無垢の誘惑

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子どもというレトリック―無垢の誘惑

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784787230683
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

 子どもは無垢だから保護しなければならないというイメージは、近代社会の発明品だ──。有害図書・ポルノ追放運動から少年司法までの「まなざし」の読解をとおし、子どもを取り巻く現代社会の言説の政治性を浮き彫りにする。

はしがき

1 「有害環境」の所在――子どもをめぐる空間とメディア  永井良和
 (1)「有害」とは何か
 (2)行動規範の空間的布置
 (3)メディア環境――不可視領域の出現
 (4)パターナリズムと子ども

2 “悪書追放運動”の頃  竹内オサム
 (1)はじめに
 (2)子どもマンガ=俗悪論
 (3)「悪書追放運動」の前夜
 (4)時代状況と運動の動向
 (5)雑誌記事における意見の対立
 (6)ひとつの論争――国分一太郎と指万龍二
 (7)編集者やマンガ家の反応

3 「脅かされる」子どもたち――「有害」コミック問題の構築  中河伸俊
 (1)犠牲者としての子ども像
 (2)「有害」コミック問題の展開
 (3)有害図書の存在論
 (4)対抗クレイムと「問題」のポリティクス
 (5)「無垢」の行方

4 コミック・キャンペーン――イギリス・アメリカにおける一九五〇年代のコミック規制の動向  木股知史
 (1)はじめに
 (2)コミック・キャンペーン
 (3)アメリカン・ホラー・コミック
 (4)無垢への誘惑
 (5)ルーシーの秘密
 (6)ティ

内容説明

子ども、大人、無垢、穢れ、保護、権利―。近代思想が発見した概念装置の政治的な利用過程を跡づけ、有害図書やポルノ・メディアというきわめて刺激的な観点から、〈子ども〉をめぐる現代社会の“まなざし”を鋭く問う。

目次

「有害環境」の所在―子どもをめぐる空間とメディア
“悪書追放運動”の頃
「脅かされる」子どもたち―「有害」コミック問題の構築
コミック・キャンペーン―イギリス・アメリカにおける1950年代のコミック規制の動向
差異をめぐる闘争―近代・子ども・ポルノグラフィー
少年司法のポリティクス