出版社内容情報
自らの舞踊体験をとおし、歩くことから踊りの「様式」「リズム」「伝承」「体験・生命の共有」まで、その「生の軌跡」が生成する身体という回路を解読し、核心をとらえていく独自の舞踊・身体論。民俗舞踊の「舞踊論」のために──。
1 踊りと身体
ネパールの街角で/歩くこと、踊ること/自由なからだと自然な動き/稽古の目指すもの/歩く稽古/ネパールの街道で/動きと意識/形以前の動き/共につくりだす
2 様式と身体体験
見様見真似/民俗舞踊の「新しさ」/主体的かかわりと「様式」/開かれた様式
3 民俗舞踊の旅
時と所を越えて/新しい国の祭り/カロス・フィリス/ヤキマの友/語られる物語/スリナムの太鼓
4 「音」と「からだ」のリズム
音の幅、動きの幅/歌声と動き/太鼓の口唱歌/囃子の循環
5 「動き」と「形」
踊りの記録/同じ振り、違う振り/同じ形、同じ動き/様式論における「形」/指導者の役割/「形」の絶対性
6 伝承と体験の共有
体験の連なり/伝承の生命/定形と無定形
7 軌跡を描くということ
舞踊と陶芸/生の軌跡/生命の共有
補論 民俗舞踊の「舞踊論」のために
「踊る」こと、「語ること」/踊る者の視点/舞踊をとらえる眼差し