出版社内容情報
余暇やセックスさえもはや「労働」と化している! 身体をはじめ、生活過程のすみずみまでを労働力の再生産過程として包摂する現代資本主義。その支配力に対する批判力の再構築のために、マルクスなどの旧来の労働論を大胆に読み替える。
まえがき
1 マルクス労働論の二つの道――『資本論』の場合
(1)「労働過程論」の構造
(2)「労働過程論」への疑義
(3)労働する身体の歴史的形成
2 資本の文明化作用と労働の「野蛮」――『経済学批判要綱』の場合
(1)“労働者となる”過程としての資本と労働の交換
(2)労働へのネガティヴな視座
(3)“労働の拒否”とプロレタリアートの解放
[補論]ポール・ラファルグ『怠ける権利』とラブレー主義的コミュニズム
3 逸脱する身体の戦略
(1)労働・性・資本主義/フロイト文化論のマルクス主義的読み換え
(2)逸脱する身体/廣松渉「物象化論」の諸問題
[補論]カテゴリーの解体か、カテゴリーの革新か/今村労働論への疑問
4 労働カテゴリー解体のためのキーワード
(1)労働力から〈労働力〉へ
(2)身体搾取の理論/「搾取」の意味転換
(3)構造としての階級/属人概念としての階級論の限界
(4)物を対象とする労働から人を対象とする労働へ
[補論]アンドレ・ゴルツの労働論をめぐって
あとがき