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出版社内容情報
明治後期から大正期、そして戦前にかけて発展し、多くの日本人に異文化体験を提供した船の旅=欧州航路は、数百年にわたる西洋の東洋進出を歴史的にさかのぼる旅でもあった。船旅によって近代日本が思い描くようになった海外イメージを浮き彫りにする。
はじめに――もうひとつの海洋文学 橋本順光
序章 欧州航路の文学――船の自国化と紀行の自国語化 橋本順光
1 欧州航路前史――イギリス東洋航路の逆転と領土化
2 欧州航路の発展――自国化と自国語化
3 大学助教授の洋行――義務としての欧州漫遊
第1章 欧州航路の起点と原点――横浜と富士山 鈴木禎宏
1 航路と横浜
2 横浜の成立
3 欧州航路からみた横浜と富士山
第2章 シンガポール 西原大輔
1 漂流民音吉と娘子軍
2 欧州航路の文学
3 和辻哲郎のシンガポール認識
4 シンガポール上陸観光
第3章 日本人が見た/見なかったペナン――和辻哲郎『故国の妻へ』『風土』を中心に 大東和重
1 大英帝国の海峡植民地ペナン
2 名所と街並みと――多民族都市ジョージタウン
3 海峡華人
第4章 インドの代名詞コロンボ――デッキパセンジャーとハシーム商会 橋本順光
1 船中のインド――蛇使いとデッキパセンジャー
2 ハシーム商会――日本語と日本円が通用する宝石店
第5章 スエズの商人・南部憲一 山中由里子
1 戦間期のスエズ運河
2 南部憲一の生涯
3 旅行記に登場する南部
第6章 日本人のマルセイユ体験――幕末遣欧使節団から和辻哲郎まで 児島由理
1 近代以降のマルセイユの発展
2 幕末・明治前半の渡航者たち
3 日本郵船の欧州航路開設以後
4 和辻哲郎『故国の妻へ』と『風土』
第7章 和辻哲郎『風土』成立の時空と欧州航路――歴史的偶然と地理的必然との交差において 稲賀繁美
1 「洋行」の濫觴と変質
2 「洋行不要論」の先駆としての和辻哲郎
3 「国民性研究」としての「人間学」
4 先行世代・同世代
5 『存在と時間』から『風土』へ――同時代性の刻印
6 「風土性」から「国民道徳論」へ
7 後続する世代との位相差
8 古代への憧憬
9 細部観察の直観力
おわりに 鈴木禎宏
船名索引
人名索引
橋本 順光[ハシモト ヨリミツ]
大阪大学大学院文学研究科准教授。専攻は英文学、比較文学。編著に『英国黄禍論史資料集成』全4巻(エディション・シナプス)、共著に『国際日本学入門』(成文社)など。
鈴木 禎宏[スズキ サダヒロ]
お茶の水女子大学基幹研究院准教授。専攻は比較日本文化論、生活造形論。著書に『バーナード・リーチの生涯と芸術』(ミネルヴァ書房)など。
内容説明
明治後期から大正期、そして戦前にかけて発展し、多くの日本人に異文化体験を提供した船の旅=欧州航路は、数百年にわたる西洋の東洋進出を歴史的にさかのぼる旅でもあった。哲学者・和辻哲郎の『風土』を補助線にして、近代日本の海外イメージをあざやかに照らし出す。
目次
序章 欧州航路の文学―船の自国化と紀行の自国語化
第1章 欧州航路の起点と原点―横浜と富士山
第2章 シンガポール
第3章 日本人が見た/見なかったペナン―和辻哲郎『故国の妻へ』『風土』を中心に
第4章 インドの代名詞コロンボ―デッキパセンジャーとハシーム商会
第5章 スエズの商人・南部憲一
第6章 日本人のマルセイユ体験―幕末遣欧使節団から和辻哲郎まで
第7章 和辻哲郎『風土』成立の時空と欧州航路―歴史的偶然と地理的必然との交差において
著者等紹介
橋本順光[ハシモトヨリミツ]
大阪大学大学院文学研究科准教授。専攻は英文学、比較文学
鈴木禎宏[スズキサダヒロ]
お茶の水女子大学基幹研究院准教授。専攻は比較日本文化論、生活造形論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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