殺人罪で死刑になった豚―動物裁判にみる中世史

殺人罪で死刑になった豚―動物裁判にみる中世史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 186p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784787220080
  • NDC分類 322.3
  • Cコード C0022

出版社内容情報

子どもを食い殺して死刑になったブタ、破門宣告を受けたバッタ、悪魔の化身とされたサル、弁護人の力量で無罪を勝ちとったネズミ……。中世キリスト教社会でおごそかにとりおこなわれた「動物裁判」が生んだ悲喜劇の実態と論理を描出する。

序文
 フォン・アミラ
 ダドシオ
 悪魔のしわざか、神の鞭か
 悪魔が憑いた家
 魔に魅入られた牝牛
 正しい処刑がなされないと不浄を生む
 動物の人間化
 動物への刑罰は悪魔への刑罰
 教会の頑迷
 現代の法学の問題点
 豚の処刑を描いた壁画

1 ネズミたちの弁護人
 ワルド派裁判
 シャスネの業績
 昆虫を裁く根拠
 博引旁証
 イチジクの木にアナテマを施す
 伝説を証拠として使う
 教会のもつ呪術的な力
 この動物は聖職者か?
 懲罰か予防か

2 昆虫の亡命地
 昆虫への警告
 コクゾウムシ裁判
 神の鞭
 メネブレアの意見
 残酷な司法感覚
 再審議
 昆虫の権利
 昆虫は人間に従属する
 昆虫のための亡命地
 かじり取られた審議結果
 裁判費用
 昆虫の権利とアナテマの威力
 法の外にいる昆虫
 神の遣いとしての昆虫

3 悪魔憑きの動物
 天使博士
 悪魔の受肉
 甘き薫りの動物と、悪臭ふんぷんたる動物
 アヴェスタ
 不完全な自然
 悪魔の化身
 聖水づくりの呪文
 動物は、機会仕掛けか、悪魔憑ル
 合理的なプロテスタント
 色褪せた悪魔祓い:拝啓ネズミ様
 水という障壁
 アイルランド
 フランス
 護符
 ネズミを追放する呪文
 古代の倫理:よそへ行け!

5 四足獣の裁判
 連綿とつづく動物裁判
 火刑や生き埋め
 拷問をおこなう理由
 報復原理
 消えた壁画
 処刑費用
 人間と豚はおなじ扱い
 豚たちの受難
 豚は裸で
 残酷な死刑執行人
 獣姦への刑罰
 無罪となった雌ロバ
 減刑は人獣平等に
 ユダヤ法が基本
 ユダヤ人は獣である
 没収された子豚たち
 所有者には責任はない
 豚の犯罪
 放し飼いだった豚
 そのほかの四足獣:牝牛
 卵を産む雄鶏
 コカトリスの卵
 経済的理由による減刑
 悪魔の豚
 ラシーヌのパロディ
 目には目を
 処刑した動物の肉は食べるな
 牛と狂人

6 無生物への刑罰
 剣や銅像への刑罰
 無生物への刑罰
 偶像
 鐘
 狂犬病
 アヒルと犬
 反逆罪
 みな殺しの法律
 人類みな罪人?
 報復原理
 境界石
 内に潜む暴力性
 陪審制廃止論
 デ

目次

第1章 ネズミたちの弁護人
第2章 昆虫の亡命地
第3章 悪魔憑きの動物
第4章 アナテマの力
第5章 四足獣の裁判
第6章 無生物への刑罰

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言

0
2003年10月19日

ひょろ

0
教会支配が完成し形式主義が何よりも重んじられるようになり、さらに近代的な所有権の確立がなされるまでは家畜をある種の独立した意思のように扱っていたその結果が動物裁判なのだろうか。本書で一番驚くことは豚の凶暴さである。こいつらは一体何人赤ん坊を食い殺したのだろうか。それと日常的に獣姦が行われていた点にも注目だ。2012/04/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/603062
  • ご注意事項

最近チェックした商品