内容説明
本書は雑誌『遺伝』で一九九九年一月号から二〇〇一年いっぱいまで、「動物たちの気になる行動」と題して、三年間三〇回にわたり連載したものが元になっている。動物行動学の若手・中堅研究者の手になるこの連載は、それぞれの研究者が対象としている動物の行動がどういう意味をもっているのかに加え、その行動を研究するにはどんな工夫や苦労があるのかが語られている点で、これまでの動物行動学の読み物とはちょっと違った本に仕上がっている。
目次
対談「ローレンツを超えて―動物行動学の過去、現在、そして未来」
ヤドカリの引っ越し作戦
「私のお家にどこだっかな?」―ヒザラガイの道しるべは何?
クモはどのようにして餌を捕らえるか?
アリの喧嘩の謎にせまる―どうやって巣仲間を見分けるのか
蜜を“盗む”ハチ―マルハナバチの盗蜜行動
目玉模様の秘密
海底を疾走するウニ―ブンブクウニの忘れ去られた適応戦略
シマヘビのあの手この手の餌捕り法
鳴きまね探し目のつけどころ耳のつけどころ〔ほか〕
著者等紹介
上田恵介[ウエダケイスケ]
1950年大阪府枚方市に生まれる。大阪府立大学農学部で昆虫学を学ぶ。修士課程修了後、京都大学農学部昆虫学研究室を経て、大阪市立大学理学部博士課程に進み、セッカの一夫多妻制の研究。理学博士。三重大学教育学部非常勤講師を経て、現在、立教大学理学部教授、専門は鳥の行動生態学、動物行動学、進化生物学
佐倉統[サクラオサム]
1960年東京都世田谷区に生まれる。東京大学文学部心理学科で動物行動学を学び、京都大学大学院理学研究科に進学。同大学霊長類研究所でニホンザルやチンパンジーの社会行動・道具使用行動などを研究。1992年、理学博士。大学院修了後は生物学史や科学技術論に専門をうつし、三菱化成生命科学研究所、横浜国立大学経営学部、フライブルク大学情報社会研究所を経て、現在、東京大学大学院情報学環助教授
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