出版社内容情報
《内容》 歯の主な病気であるむし歯や歯槽膿漏(歯周病)は,いったんそれにかかると,自然に治ることはあり得ません.日常の安易な食生活がある限り,これらの病気は発生してきます.しかし,継続した自助努力を怠らなければ,これらの病気は予防し得るのです.そのためには,まず病気の成り立ち,経過,対策についての正しい知識を持ち,その上にたって自らなし得る予防法を実行することです.自然治癒の望めない歯の病気では,予防が最大の治療といえます.本書では,食生活の原点を見つめ直し,健全な食生活を支える歯の役割について考えるとともに,歯の病気にかからないように,とくに予防の戦略と戦術について詳述しました. 《目次》 第1章 歯と顎のはたらき1.1 人類の進化と歯・顎の退化1.2 口のはたらき1.3 歯の役割1.4 唾液の驚くべき役割1.5 口はバクテリアで汚れている1.6 世界口腔保健年1.7 歯の寿命とひとの寿命第2章 歯科の新しい潮流-治療から予防へ2.1 歯科医療の革命-八○二○運動2.2 戦後のむし歯の急増2.3 歯の病気を予防するための考え方第3章 咀嚼の今昔3.1 咀嚼器としての歯3.2 大人の歯・子供の歯3.3 食べ物-昔と今3.4 噛むことの意義と効用3.5 脳内革命はよく噛むことから3.6 歯の寿命を延ばすコツ第4章 歯を失う主な病気4.1 自然治癒がない歯の病気4.2 アンケートの答え第5章 むし歯5.1 乳歯のむし歯予防5.2 むし歯予防とフッ素5.3 永久歯のむし歯第6章 歯周病(歯槽膿漏)6.1 歯周病とは6.2 歯周病の予防と治療6.3 歯周病の低年齢化6.4 歯周病の自己診断法第7章 歯垢の除去-プラーク・コントロール7.1 ある老教授の繰り言7.2 歯垢とは何か7.3 ブラッシング7.4 フロッシング7.5 水流式洗口機7.6 歯磨き剤7.7 洗口剤第8章 口臭とその予防8.1 どうして口は臭うのか?8.2 口臭の測定8.3 口臭の予防第9章 歯科医療とレーザー9.1 レーザー光線とは何か9.2 レーザーによるむし歯予防9.3 歯周病へのレーザーの応用9.4 歯肉に沈着したメラニン色素の除去9.5 プラーク・コントロールをレーザーで9.6 レーザーによる鎮痛効果9.7 傷の治りを早める効果9.8 白板症(前癌病変)の処置索引
内容説明
人間は誰でも“明日の活力は今日の食生活”にかかっているのである。すなわち、食は生物の存在、生命の根源をなしている。近年に至り、調理の技術の長足の進歩に伴って加工食品があふれるようになった。そして飽食も手伝って糖尿病などの新たな病気まで発生させた。その中で顎や歯の病気はまさに食生活の変化の影響を強く受けつつあり、噛むことの大切さを忘れ、味覚的に魅せられる甘味加工食品に人々が目を奪われるに至った。その結果、歯の病気が世界中の人々に広がってきている。本書では、食生活の原点を見詰め直し、健全な食生活を支える歯の役割について考えると共に、歯の病気にかからないよう、とくに予防の戦略と戦術を詳述した。
目次
1章 歯と顎のはたらき
2章 歯科の新しい潮流―治療から予防へ
3章 咀嚼の今昔
4章 歯を失う主な病気
5章 むし歯
6章 歯周病(歯槽膿漏)
7章 歯垢の除去―プラーク・コントロール
8章 口臭とその予防
9章 歯科医療とレーザー