内容説明
動物・植物にかかわらず、生物はじつにさまざまな形をしている。これら生物の形は、どのように形成され、またその多様性はどのように進化してきたのであろうか。遺伝学、発生生物学、進化生態学、数理科学、系統学、古生物学など、多方面からアプローチされているが、真の理解にはいまだほど遠い。本書では、生物の形の多様性と進化についての普遍的な考え方・原理を探究する第一歩として、研究の現状と新たな展開の萌芽を、各分野の第一線で活躍する研究者がわかりやすく紹介する。
目次
第1編 形の多様性と進化
第2編 動物の形の進化
第3編 植物の形と適応
第4編 遺伝子と形態形成
第5編 生物における集団とパターン
第6編 生物の形態解析
著者等紹介
関村利朗[セキムラトシオ]
1947年生まれ、広島大学大学院博士課程修了。現在、中部大学応用生物学部教授、理学博士
野地澄晴[ノジスミハレ]
1948年生まれ、広島大学大学院博士課程修了。現在、徳島大学工学部教授、理学博士
森田利仁[モリタリヒト]
1956年生まれ、東北大学大学院博士課程修了。現在、千葉県立中央博物館地学研究科上席研究員、理学博士
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感想・レビュー
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手押し戦車
14
進化は同じ種でも同じ種でも生息する地域ごとに色や形などの特徴が微妙に異なることが多い。特に同じ種でも全く違って見えるのは、地方に行くと聞いていても分からない方言がある様に地理や地形に対応するために形や色を遺伝子が変えて対応している。遺伝子の方言バージョン!遺伝子の凄さは地形で生き抜くために最大限の力を発揮し種を保存する為に姿、形を変えてしまう力がある。無意識レベルの偉大な力は一個人を守り抜く最大限の力を発揮して進化して行く。進化は終わりがない旅で、気候や地形が変わると種の保存が最優先され進化する2015/04/16
竜王五代の人
1
なかなか面白い本であった。植物の葉の付き方の回転などが割と単純な系から割り出せたりと、生物の複雑な形の陰には割と単純な数式が潜んでいたりする。染色体を増やすことで発生のスイッチ機構であるホメオボックスを倍増させ細かい部分の形成に応用したりしていることも興味深かった。2022/06/14