内容説明
「物語」の形式として執筆した全く新しい入門書。この1冊を読む3時間で、有機化学という学問がどんな学問で、研究者が120年間何を目指してきたのかがわかる。
目次
有機化学はつまらない?
六角形をつなぐ旅のはじまり
未来へ紡ぐ山本明夫―働くニッケル
革命の時―熊田・玉尾・コリューカップリング
周期表の旅人
人類の到達点
研究はどのように評価される?
究極の反応を目指して
火星には旗が立っていた―ヴァンヘルデン・バーバーグカップリング
夢の反応―村井反応
輝く星キース・ファニュー
定跡を外すArPTZ+
旅は終わらない
著者等紹介
諸藤達也[モロフジタツヤ]
京都大学大学院工学研究科で博士の学位を修めたのち、花王株式会社で研究員として勤務。2018年同社を退社し、学習院大学助教に着任。専門は有機化学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nagoyan
12
優。「3時間でわかる」かは人にもよろうが、実際3時間ぐらいで読了した。主題をベンゼン環をつなぐ近代化学の研究史に絞って展開したのは、実にわかりやすかった。ベンゼン環をつなぐ反応の何が障害となったかを追うことにより、有機化学を自然と理解できるように配置されているように思えた。何より物語として優れていた。すくなくとも門外漢の僕にとっては良書である。2023/02/23
みーちん
5
化学物質や化学式を理解してみたくなり、評価の高かったこの本を読んでみることにしました。イメージしていたものとは少し違いましたが、読み物としても面白かったですし、有機化学の面白さや奥深さが理解できたような気がします。最近読んだ他の分野の本でも思ったのですが、その道で専門に研究している方の、どうにかしてこの分野の面白さや価値を一般の人にも伝えたいという熱い想いに感謝。2023/10/17
たくちゃん
4
化学に取り組んでいきたいと考えている者からしてこの本は救世主のようなものである。自分の可能性がないわけではない。それを励みに今は勉強を重ねていきたい。2023/04/19
Satsumaimo Marron
1
ベンゼンのお話。とても読みやすく化学に縁のない人間にも優しい内容でした。 興味を持ったのでベンゼンの写真を探したところ、ようやくすごい顕微鏡でなら見えるようになってきたらしい。2023/10/22
phmchb
1
大学院生youtuberがカップリング反応の歴史を纏めた一冊。2022/06/14