内容説明
著者は大学院の講義で、非平衡統計力学の研究の流れを紹介している。今回、この講義ノートの中から取扱うテーマを厳選し、その上で大幅に説明を加筆した。そして、学部学生を対象にした半期の講義用の教科書として出版する。本書の内容を一言でいうならば「力学法則から揺動散逸定理まで」ということになる。
目次
1 粒子系の力学モデル
2 熱平衡状態を表す確率分布
3 局所平衡状態と流体力学的方程式
4 ボルツマン方程式と階層性
5 時間相関関数と確率過程
6 揺動散逸定理
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おりぜる@論文終わるまで読書可能時間激減
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1999年初版。2007年3版を古書店で購入。▼大学院向けの講義テキストをまとめたものらしい。最終的には、ナビエ-ストークス方程式に現れる輸送係数を、揺動カレント場を用いて具体的に表すことを目的の1つとしている。▼ざっと読んで、揺動散逸定理の概要が掴めた。言葉での説明がかなり丁寧なので、話の流れは分かりやすかった。式は丁寧に追わなかったので、後日精読したい。あと、説明が若干天下り的な部分があり、より詳しい本を読まないと分からなそうなところもあった。2017/09/12