内容説明
本書は、岡潔による3大問題の肯定的解決に特化して、できるだけ簡易化した自足的証明を与えることを目標にしたものである。これまで、岡理論の展開法として大きく三つの流れがあった。本書の展開法はそれらのいずれにも属さない。つまり何か新しい道具を準備するということはなく、ほとんど無手勝流である。ただアイデアだけは岡による。(本書「まえがき」による)
目次
第1章 多変数正則関数(多変数正則関数;凸柱状領域でのルンゲの近似定理 ほか)
第2章 解析層と連接性(解析層の概念;連接性 ほか)
第3章 正則(凸)領域とクザン問題(定義と基本的性質;カルタン‐トゥーレンの定理 ほか)
第4章 擬凸領域1―問題の設定と集約(多重劣調和関数;擬凸性 ほか)
第5章 擬凸領域2―問題の解決(評価付き上空移行;強擬凸領域 ほか)
著者等紹介
野口潤次郎[ノグチジュンジロウ]
1948年神奈川県生まれ。1973年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。同年広島大学理学部助手。その後、大阪大学教養部講師、東京工業大学理学部助教授、同教授、東京大学大学院数理科学研究科教授を歴任。この間、プリンストン高等研究所、ノートルダム大学、マックス・プランク研究所、ジョンズ・ホプキンス大学日米数学研究所等の研究員、客員(準)教授。2010年東京工業大学名誉教授、2013年東京大学名誉教授。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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