内容説明
法的脳死判定においては、一般の臨床現場における脳死の診断等の際に参照するものとは異なり、一定の規範性を持った基準が用いられているため、それらに反することをもって直ちに法令違反に問われる可能性があり、それらの基準については、その設定趣旨、確認方法等を可能な限り明確にすることが望ましい。本報告書は、そのような目的の下で作成されたものである。本報告書に記載された各確認項目の検査方法については、あくまでも現時点において適正に法的脳死判定を行うための標準的なものとして記載されており、その他の方法についても、実質上同等なものであれば問題はないと考える。しかし、そのような判断は極めて慎重に行われるべきであるため、法的脳死判定を各臓器提供施設において行う際には、基本的には本報告書を参考にして行っていただくことを望むものである。なお、本報告書は、臓器移植法あるいは関連政省令の改正、新しい医学的知見の普及等に併せて、適宜その内容が更新されるべきものである。
目次
第1章 法的脳死判定の際に守るべき事項(脳死と判定するための必須条件;前提条件;除外例 ほか)
第2章 脳死判定の実施マニュアル(書面の確認;前提条件の確認;除外例 ほか)
第3章 参考資料(法に基づく脳死判定実施の手順;脳死判定から臓器摘出までのフローチャート;臓器提供及び臓器移植に必要な書類一覧表 ほか)