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内容説明
SFも下町も私がいないと寂しいと思います―。東京のハクビシン、隅田川のカワイルカ、転生ラマとブロックチェーン、蜘蛛と繋がる辰巳芸者、TikTokでタイムリープ。人と人が/人と生き物が/人とモノが/モノとモノが、技術で/人情で/価値観で/物語で、繋がり/すれ違い/手を取り、そして暮らしていく。東京下町にゆかりのある7名の作家が強火の愛で描く下町が、帰納的にSFを証明する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あおでん@やさどく管理人
20
東京の下町を舞台にしたSFアンソロジー。一番好きだったのは「朝顔にとまる鷹」。舞台は江戸、さらにその頃から開催されている「入谷朝顔まつり」が物語に織り込まれていて、下町の雰囲気を一番感じたSFだった。余韻の残るラストも好み。2025/03/26
げんなり
5
なるほど、下町ってそういう感じのところもあるのだよなぁと、実に感心してしまう。最近読んだ『本郷』も下町と書かれてたりもして、ついついニヤニヤしてしまう。バイトしてた先が近かったので、聞き慣れた地名がたくさん出てきて、それなのにその土地の成り立ちやら地形やら文化やらを知らずにいたんだなとそういう反省もする。トウキョウ以外にも下町はあるだろうし、もちろん外国にだってある訳で、下町ストーリーってのもありかなと思った。2024/09/19
女神の巡礼者
4
「京都」「大阪」に続いて「東京」と思ったら、下町限定なんだね。大阪人の私からしたら、東京は高層ビルが聳え立つ大都会なんだけど、そこの下町と言われてもぴんと来ないですね。まあ人情とかが「男はつらいよ」から連想するくらいかな。そんな下町を舞台に展開する7作のSF。意外だったのは動植物が登場する作品が4作もあって、ITや商業の街ではない東京の姿をかいま見ました。そして、江戸時代から未来まで、発展し続ける東京に生きる人々の息遣いも感じられました。次は、最先端のテクノポリスTOKYOで展開するSFも読みたいです。2024/12/20
ひめの
4
東京の下町を舞台にしたSFアンソロジー。宇宙、科学によるゴリゴリのSFというよりは日常の風景に少し不思議が溶け込んでいるというようなテイストの作品が並んでいる。どれも親しみがあり、心が温かくなるような作品で楽しめた。印象的なのは『スミダカワイルカ』ホントにいたらいいのにな、『総合的な学習の時間(1997+α)』総合という科目の懐かしさと真相のドキっと感が良かった、『朝顔にとまる鷹』二人の女の過去と朝顔が儚くも美しい、『工場長屋A号棟』知らず知らずのうちに加担する殺戮。不気味さに読む手が止まらなかった。2024/11/07
うんの
2
どれも面白かった。干し柿が良く活躍してた。2024/12/08