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内容説明
1200年の都?いえいえ、わたしたちの棲む町。虚無の柱となった京都、西陣で繰り広げられる“エクストリーム軒先駐車大会”、宇宙の宝物の松ぼっくり、年に一度開催される立看の儀、“禁足地”となった国立国会図書館関西館―。京都にゆかりのある8名の作家が描く、妖怪もお寺も出てこない、観光地の向こう側の京都をお届けします。大阪/京都を拠点にするKaguya Booksより、待望の地域SFアンソロジー第1弾!
著者等紹介
井上彼方[イノウエカナタ]
京都で猫と暮らしている。SF企業VGプラス合同会社。オンラインSF誌Kaguya Planetのコーディネーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
26
千葉集:京都は存在しない、ピアニスト:暴力と破滅の運び手、鈴木無音:聖地と呼ばれる町で、野咲タラ:おしゃべりな池、溝渕久美子:第二回京都西陣エクストリーム軒先駐車大会、麦原遼:立看の儀、藤田雅矢:シダーローズの時間、織戸久貴:春と灰、の8つの地域SFアンソロジー。シリーズ1作目。固有名詞で京都のものが出て来るが、京都を意識できる話は少ない。別の場所であっても成立する。野咲さんのおしゃべりな池が京都世界なだけかも。というところで観念的な世界の観念的なストーリーが展開される話であまり楽しめませんでした。2023/10/24
宇宙猫
16
★★ ちょっと未来なだけとか不思議系の話が多く、SFアンソロジーとしてはがっかりだった。 千葉集/京都は存在しない:2 暴力と破滅の運び手/ピアニスト:2 鈴木無音/聖地と呼ばれる町で:2 野咲タラ/おしゃべりな池:2 溝渕久美子/第二回京都西陣エクストリーム軒先駐車大会:3 麦原遼/立看の儀:1 藤田雅矢/シダーローズの時間:2 織戸久貴/春と灰:32024/07/27
Cinita
13
寺社仏閣八ツ橋舞妓はん等の観光地的なイメージを取り払った、在住者から見た「京都」をテーマにしたSFアンソロジー。ハズレなしで面白くて大満足! お気に入りをあえて選ぶなら、《存在しない『存在しない京都の記憶』の捏造》というややこしい設定とエッセイストふたりのエモい共犯関係を、短い頁数でするりと飲み込ませる「京都は存在しない」。あと、その土地に住むものの目線と、メディアを通じた外部からの視線の交わりを真正面から描いた「聖地と呼ばれる街で」は、このアンソロジーの趣旨にガッチリ合っててよかったな。(SF度は低め)2023/09/30
遙
12
京都ファンとして手に取った作品でしたが、なかなか風変わりな設定が多く、SFというより大部分では京都の歴史の勉強をしている気分にさせられました。ハマる方にはハマる作品。 只編集さんの丁寧なあらすじ解説とあとがきで上手くフォローされていて、終わりよければ全てよしといった感じ笑 [ピアニスト][春と灰]は、文面、シナリオ的に好きでした。 今やオーバーツーリズムで風情もへったくれもない京都という観光地ですが この一冊のように様々な未知の可能性に想像を巡らせてみるのも面白いかもしれません。2025/06/09
かもすぱ
10
寺とか舞妓さんなどを避け<観光地の向こう側>をテーマにした京都SFアンソロジー。日本海側が舞台の『聖地と呼ばれる町で』、巨椋池周辺の『おしゃべりな池』、『西陣エクストリーム軒先駐車』が好みだった。大阪SFとは空気が違う。押し引きで言うと「引き」の印象。どちらも"そうなった社会"の中である程度受け止めて生きていく市民の話のはずなのに。いやでも大阪版の枚方の話と京都版の巨椋池の話は雰囲気似てたのも面白い。2023/11/27