内容説明
石川啄木の名は知っていても土岐善麿(哀歌)の名を知っている人はすくない。実は哀果は啄木をこの世に初めて紹介した人物であり、哀歌がいなければ啄木の今日はなかった。本書は哀果が啄木と出会い、新しい文芸誌『樹木と果実』を出そうと意気投合し、いくつかの難問に遭遇し、啄木は失意の内に亡くなったあと、その意志をついで文芸誌『生活と芸術』を刊行するまでの物語である。そして啄木の名を全国に知らしめた哀果の編んだ『啄木全集』に至る過程を加えている。
目次
1章 幻の『樹木と果実』(啄木を支えた三人の男たち;土岐哀果 ほか)
2章 啄木の死とその後(病床の呻吟;啄木の死 ほか)
3章 『生活と芸術』創刊(『樹木と果実』以後;『近代思想』と哀果 ほか)
4章 哀果が編んだ初の『啄木全集』(初の『啄木全集』の刊行;哀果以降の『全集』)
著者等紹介
長浜功[ナガハマイサオ]
1941年北海道生まれ、北海道大学教育学部、同大学院修士、博士課程を経て上京、法政大学非常勤講師等を歴任後、東京学芸大学常勤講師に任用、以後同助教授、教授、同博士課程連合大学院講座主任、2007年定年退職。以後、日本文化と芸術に関する研究に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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