内容説明
生成の発端・始原あるいは存在としての人類文化、これを忘れて結果・成果としての現代ハイテク文化を過信してはならない。アルテスリベラレス(リベラルアーツのラテン語)は、ギリシア・ローマ時代であれば、奴隷制を前提にした自由人の教養でしかない。アリストテレスの奴隷観を知れば、彼は奴隷を倫理の対象に含めない教養人の典型である。私は、そのような教養観に叛旗を翻したのである。先史人や野生人を無視した教養など、教養ではない。だいたい、教養という語は、ドイツ語の“Ausbildung”という綴りで一目瞭然なように生成(Bildung)であり、およそ自然のままではない。(はしがきより)
目次
1 バロック的叛逆(バロックという社会思想;野生的なまなざしの象形画家ジョアン・ミロ;ニーチェ哲学の価値転換(Umwerthung)と歴史知の価値転倒(Werthumkehr)
フロイトにおける野生(Wildheit)の意味
ブルクハルト史観の批評
幸徳秋水にとってのヘーゲル左派)
2 読書ノートという生き方(ヤスパース『歴史の起原と目標』読書ノート;読書ノートの時代)
付録1 諸文献摘要タイトル一覧2―2000年~2022年
付録2 ある社会哲学者の3年にわたるWith‐CORONA
著者等紹介
石塚正英[イシズカマサヒデ]
1949年、新潟県上越市(旧高田市)に生まれる。立正大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程満期退学、同研究科哲学専攻論文博士(文学)。1982年~、立正大学、専修大学、明治大学、中央大学、東京電機大学(専任)歴任。2020年以降、東京電機大学名誉教授。2008年~、NPO法人頚城野郷土資料室(新潟県知事認証)理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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