内容説明
世界地図が必要だ。資本主義批判の方法と、階級社会と国家それ自体との関係、世襲資本主義と税制社会国家、社会(人間)観・経済社会思想と法理念、近代化思想と核開発・原発事故、近代生産力主義と人間疎外、国家集産主義と革命政権の軍政化…。「緑の地域主義」「赤と緑」の視点から、21世紀の近代資本主義に反対するマルクスのラジカリズムを討究する。革命運動の倫理性を論じた論文「自由と責任のエシックス―『革命無罪』は虚構の論理」(黒木慶子)を収録。
目次
序章 平和のための「世界地図」を構想してゆくために―“何を、どのように考えるべきか・批判するべきか”
第1章 資本主義国家批判の方法について―レーニン『国家と革命』の問題点と資本主義権力論
第2章 国家基本法と実体主義的社会観―自民党「憲法改正草案」の社会実在論と戦後民主主義憲法の社会唯名論
第3章 近代生産力主義と京都学派・鈴木成高の近代批判―廣松渉の「近代の超克」論への言及を視軸にして
第4章 「自由・意味・自然の喪失」とエコロジスト的問題意識―石塚省二『ポストモダン状況論―現代社会の基礎理論』との対話
第5章 世襲資本主義と税制社会国家―トマ・ピケティ『21世紀の資本』を読む
第6章 ボリシェビキ革命の省察―官僚制国家集産主義と軍政化(一般民主主義の否定)
終章 エコロジスト・ルージュ(赤と緑)
著者等紹介
渋谷要[シブヤカナメ]
1955年京都生まれ。社会思想史研究。「文部省大学入学資格検定試験」(大検)合格。進学した中央大学ではノンセクト運動を展開。1984年、「首都圏学生実行委員会」の結成にOBとして参加。1990年、戦旗・共産主義者同盟に結集。1991年首都圏にある地区委員会に所属。1994年党本部の「中央常任」として編集局入局。「マルクス主義のパラダイム・チェンジ」として「レーニン主義からのテイク・オフ」を推進するイデオロギー的、組織的闘いを展開した。2005年12月離党。現在(2015年)はノンセクト系列で、東京のフリーター労働者の労働組合の組合員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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