目次
1 敗戦期におけるマルクス体験(論理の力;「マチウ書試論」;日本マルクス主義の思想的負性;観念による現実拒否の「倫理」;「関係の絶対性」という視点)
2 安保闘争の意味と第二のマルクス体験(問題の発端;「転向論」;安保闘争;第二のマルクス体験『カール・マルクス』)
3 「大衆の原像」と「自立」(「模写と鏡」;「自立の思想的拠点」)
4 『共同幻想論』の世界(『共同幻想論』をめぐるふたつの誤解;『共同幻想論』の三部構成)
5 『共同幻想論』以降の課題(『情況』;「対幻想」のゆくえ)
著者等紹介
高橋順一[タカハシジュンイチ]
1950年宮城県生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻思想史。2010年4月から1年間ライプツィヒ大学東アジア研究所客員教授。立教大学文学部ドイツ文学科卒業。埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了。雑誌『情況』編集委員。「変革のアソシエ」共同代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yutaro sata
18
共同幻想論を、単なる体制批判書のように読んで中途半端に崇めるのではなく、どんなものもその起源にまで潜っていき、連続性があると思われているもののなかに、非連続、断絶を見つけ、それを目に見える形で浮かび上がらせなければ、本当の革命はなされないという、本気の書物であるということを理解することが肝要だというメッセージを受け取る。 表面的な対立に目を向け、こちらとあちらという形で議論をしていてもほとんど意味がない 全5章のうち、第3章が特に手強い。引き続き吉本さん周りを勉強する。2024/11/12