内容説明
帝国日本の女性に対する人権侵害の負の歴史と、戦後それを放置して失われたままの日本国家への信頼。たとえ世代が変わろうとも、“不作為の行為”の責任が無時効性に問われている。
目次
第1部 日本軍「慰安婦」問題のグローバリティ(日本軍「慰安婦」の転生と解恨;従軍慰安婦問題の国際性と無時効性―普遍的責務の履行と歴史和解の方途;「慰安婦」問題の超国家性と記憶の「グローカル」化;日本軍「慰安婦」問題をめぐる「歴史戦」とグレンデール市の「平和の少女像」)
第2部 日本軍「慰安婦」問題のローカリティ(固着の「歴史」、進行する「被害」―二つの国の日本軍「慰安婦」の歴史を扱う方法;日本軍慰安婦問題に関する政治的言説;日本慰安婦問題に対する中国政府の立場―その歴史認識と最近の研究動向に絡めて;日本植民地下における台湾の慰安婦問題―その背景としての日本の公娼制度及性需要に関連して;東南アジア島嶼部周縁地域における日本軍性奴隷制―東ティモールとインドネシア・南スラウェシ州の調査から)