内容説明
感性的なるもの、経験的なるもの、ローカルなもの、ここから、いま、拓かれる“知”の新地平に向けて歴史知的視座から“近代の光景”の諸問題を照射する論考。
目次
第1章 平均律の普及の思想的背景
第2章 「和泉屋染物店」の構成―明治末の戯曲に見る時代性
第3章 ドイツ統一戦争における市民と雑誌メディア
第4章 「体力」の時代と青少年の身体意識
第5章 フロムと歴史知―『愛するということ』におけるケア概念の構成を中心に
第6章 前期ハイデガーにおける時間についての議論―時計の時間と人間の時間
第7章 ニーチェの歴史的人間観―ライプニッツとの比較を通して見えてくる、理性による脱神話化の必然的帰結
第8章 マルクス人間論の可能性と限界―マルクス主義哲学史における人間概念の変遷
著者等紹介
杉山精一[スギヤマセイイチ]
1962年生まれ、高校教員。歴史知研究会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マウンテンゴリラ
2
歴史知という言葉は、何時か何処かで聞いたことがあるようで、無いようであるが、何となく魅力のある言葉として感じられ、それが本書を手にする切っ掛けとなった。内容に関しては、研究会の方針にもあるように正に自由奔放な議論という印象を持った。それが目立ちすぎて、世の定説に異を唱え、しかも個々の議論に統合性が感じられないという印象は正直あった。歴史知というものの必要性については、私自身も十分に共感するところであるが、それを一般読者にアピールできる内容であったかどうか、少し疑問に感じた。2017/11/17