内容説明
『バンクーバーの朝日』で近年コミックや映画でも話題の日系カナダ人。なかでも『ニューカナディアン』発刊に携わった日本人たちは、第2次世界大戦に日本が突入してゆく時代に稀有なエスニック集団のかたちを残した。本書は現地取材と手紙文書などで彼らのコミュニティの変容を明らかにする。外国人労働者受け入れ時代に問いかける、壮大なる普通人ドキュメンタリー。
目次
労働力、社会、文化の越境。
バンクーバー市を追い立てられて
クートネイ谷へ落ち着く
懐深いロッキー西麗の村々
オーシャン・フォールズからの撤収顛末
『クートネイアン』新聞社に同居
日本人「移住」を阻んだ住宅不足
戦時「日米交換船」問題
野球のくにの「朝日軍」伝説
カズロー町での小新聞ビジネス
カズローに残った日本人女教師阿田木あや子
戦時中の収容日本人の生活
カズロー住民の対日本人観の変化
難題抱えたタシメ収容所
日本人は、どう「社会移動」に成功したか
通婚圏、住居圏の壁への風穴
職種・職業選択圏の拡大
さよならカズロー、さらに東へ
著者等紹介
田村紀雄[タムラノリオ]
1934年生まれ。東京経済大学名誉教授社会学博士。思想の科学研究会、日本移民学会、日本インターンシップ学会、その他の会長を歴任。多数の学会・研究会の創立に参画、役員も(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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