内容説明
「在日コリアンっていったい何かということは、今でも私にはよくわからない。日本人でもないし、韓国人でもない。その狭間で生きている人たち。それぞれが自分のアイデンティティを大切に持って生きている人たち」―在日コリアン研究四〇年の講師の言葉である。日本社会の内なる国際化はこの多様性を大切にするかどうかで決まり、今はその分岐点にあるという。三世が語るように、世代を重ねることに在日の自意識も変わっていく。さらに法制度の観点から、根強く続く差別とヘイトを克服するための道筋を考える。
目次
第1講 在日コリアン研究四〇年
第2講 旧世代とは一味違う在日三世の生き方
第3講 反ヘイトのロードマップを考えるために
著者等紹介
朴一[パクイル]
1956年、兵庫県尼崎市生まれ。在日コリアン三世。商学博士。大阪市立大学経済学部教授。高麗大学客員教授。テレビ番組でコメンテイターとして活躍。在日問題や日韓、日朝経済について独自の視点から提言する。専攻は朝鮮半島の政治と経済
姜龍一[カンヨンイル]
1988年大阪生まれ。幼少時より武道・文学に親しむ。高校卒業後、「祖国」探究のため単身渡韓。古朝鮮時代より伝わる韓民族の民俗思想・三極観を体現した朝鮮武術「圓和道」(ウォナド)の創始者・韓奉器師に出会い、圓和道修行を開始。2013年、「大東武藝圓和道傳承會」指導員。文武両道・智行一致を標榜し、文藝作品の執筆や映画制作など多岐にわたる活動を行っている
金展克[キムジョングッ]
1999年立命館大学法学部卒業。2000年~2013年弁理士。2013年新大久保での反ヘイト活動に参加。2016年ヘイトスピーチ解消法の際に署名活動を展開。2020年から民団職員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。