内容説明
若きヘーゲルの思索が結晶した『精神現象学』。体系的思索とそれを扱う素材とがせめぎあう。現代思想にとって豊かな知的源泉である同書をめぐる論究集。
目次
プロローグ ヘーゲル紀行
第1部 『精神現象学』の影響史―フランス、イタリアを中心に(コジェーヴからヘーゲルへ;ヘーゲルと仏人哲学者の友人ヴィクトール・クーザン(一七九二‐一八六七)
欲望と不安の系譜学―現代フランスにおける『精神現象学』の受容と展開
イタリア・リソルジメント論における“自由の宗教”のフォルトゥーナ―宗教改革なき革命の蹉跌と政治文化論の誕生(俗流ヘーゲル主義の問題圏))
第2部 『精神現象学』の問題圏(『精神現象学』における相互承認論の位相;Entfremdungと啓蒙の精神―伝統的価値秩序の解体、あるいは新たな着手点;ヘーゲルの有機体論と社会―現象学は有機体の夢を見るか?;神々を模倣する装置―『精神現象学』「宗教」章の悲劇論;ヘーゲルとウィトゲンシュタイン―「論理に関するノート」読解)
第3部 『精神現象学』の現在―読みの可能性(日本の『精神現象学』研究鳥瞰;発展史、コンステラチオン、エピステモロジー、マルクスそして『精神現象学』―ドイツにおけるヘーゲル研究の現在と展望;アメリカにおけるヘーゲル研究の現況)
著者等紹介
滝口清栄[タキグチキヨエイ]
法政大学、専修大学、駒澤大学講師(非常勤)
合澤清[アイザワキヨシ]
現代史研究会主宰、サイトちきゅう座運営委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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