内容説明
「実証」と歴史認識のはざまで。着実に蓄積が積み重ねられてきた植民地研究。だが、少なからぬ研究が歴史認識を曖昧にさせる結果をもたらしている。植民地教育史の問題構制、文化支配と反植民地ナショナリズムなどをめぐる、気鋭の研究者たちによる論集。
目次
第1部 植民地教育史認識の方法―「近代性」「客観性」「再生」(植民地教育における「近代性」について;植民地教育史認識における「客観性」―方法論的検討の前提;歴史を生き直すこと)
第2部 植民地教育史認識における民族・文化の位相(植民地支配下の朝鮮における言語の「近代化」と「ナショナリズム」;韓民族の海外民族学校におけるチャンガ(唱歌)運動
「満洲事変」の中国東北教育への影響
植民地支配に書が果たした役割
個人史にみる偽「満洲国」教育の一側面―「満洲雑語」を中心に)
第3部 記憶の継承と共有化(沖縄教育と台湾教育;韓国における「植民地教育史認識」の現在と展望;植民地博物館史研究を問う―「満洲国」に関する研究動向を中心に;戦争と感情)
著者等紹介
藤沢健一[フジサワケンイチ]
福岡県立大学教員。主要著書に『近代沖縄教育史の視角』(社会評論者、2000年)
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