内容説明
問いなおす仏教の戦争責任。戦時下の日本で、天皇制国家と癒着し、人々を戦争へと駆りたてた「戦時教学」とは何か。若き真宗僧侶によるポレミーク。
目次
戦時教学と親鸞思想
戦時期の真宗思想
転向の論理と回心の論理
教団史におけるPositivit¨atの問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリータ
4
◆前掲中島岳志著の読了直後にたまたま古本市で見つけた。著者は真宗本願寺派僧侶で、本書は龍谷大学院生時代に発表した論文が主。1995年刊、戦後50年・オウム事件、そして中島岳志が吉本隆明を通じて親鸞思想に触れた年である。◆タイトルの通り、浄土真宗の戦時教学における日本国家主義・天皇主義への欺瞞的合一を、教団史・教学史的分析から鋭く批判する。◆国家主義・天皇制・対外戦争、そして個人の抑圧の非は私にとっては前提であるので、その批判を繰り返されるとかえって読解のブレーキになると感じたが、それはまぁ仕方ないか。2018/04/20
バッシー
2
戦争に協力するため、教団側が教義を積極的に読み替えていっているのが興味深い。2024/10/20