出版社内容情報
社会進出というひとつの大きな目標のもとに変容しつつある女性アイデンティティの動きと異なり、
男性アイデンティティの解体と再構築は、その方向性がはっきりせず、まさに拡散状態にある。
そこで本特集では、様々な立場から男性アイデンティティのはらむ問題点を検討し、男性の進む
べき方向性について考えてみたい。
【目次】
・概説/男性アイデンティティの揺らぎ (榎本博明)
■ジェンダー・アイデンティティ
・性の歴史としての男性史 (トーマス・キューネ)
・人間の性差―男と女 (長谷川眞理子)
・男性のジェンダー形成における抵抗 (多賀 太)
・物語にみる男性の心理的課題 (林 真一郎)
・自己創造するジェンダー―科学認識論的批判 (渡辺恒夫)
■男性アイデンティティの発達
・性別発達期待と男性アイデンティティの形成―伝統的な男性役割をめぐって (飯野晴美)
・〈男らしさ〉のための教育?―教育という視点からみた男性アイデンティティ (宮嶋秀光)
・男性アイデンティティと就労意識―「男性フリーター問題」に着目して (下村英雄)
・中高年期における男性アイデンティティの危機 (小浜逸郎)
・老いにみる男らしさ (倉戸ヨシヤ)
■男性アイデンティティとライフスタイル
・恋愛と男性アイデンティティ (大野 久)
・父親であること (柏木惠子)
・ポピュラー音楽と男性アイデンティティ (谷 冬彦)
・近代スポーツマンシップと男性アイデンティティ
―筋肉的キリスト教徒トマス・ヒューズの言説空間 (阿部生雄)
・性アイデンティティの再認とセクシュアリティー
―アダルトビデオがつくる「男権主義的セクシュアリティ」 (杉田 聡)
・権力と男性アイデンティティ (梶原佳子)
■男性アイデンティティの困難さ
・「男らしさ」は二度危機に瀕した (エリザベート・バダンテール)
・メンズリブ運動とその展開 (伊藤公雄)
・解体されるべき「男らしさ」とは―DVとポルノグラフィから考える (中里見 博)
・「男らしさ」を問う意味 (勢古浩爾)
・覇権的男性性からオルタナティヴな男性性へ (熊田一雄)
・性の署名 序章 (ジョン・マネー)
・性同一障害を通して、男らしさ・女らしさを考える (山内俊雄)
・「おかま」差別とヘテロセクシズム (平野広朗)
・性的指向とそれがどのように作られるか (サイモン・ルベイ)
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