出版社内容情報
現在わが国には約16,000名の臨床心理士が様々な領域で活動している。様々な
マスコミ媒体を通じて「臨床心理士」ということばは、よく聞かれるようになった。
しかし現実には「臨床心理士」の現状はよく知られていないと思う。本号は「臨床
心理士」についてのガイドブックのような役割をもっている。一緒に「こころ」を整理して
新しい世界を探してみませんか?
【主要目次】
■概説/臨床心理士という仕事 (佐野直哉)
■精神科医療領域における臨床心理士
・精神病院における心理療法の実践例―心理療法の自律性をめぐって (岡 秀樹)
・臨床心理士として精神科病院に勤めてみて―そこに居るということ (渡辺有香子)
・単科精神科病院における臨床心理士―治療構造・治療的退行・修正感情体験を巡って (花岡陽子)
・単科精神病院における臨床心理士―クライエントが求める心理士を目指して (小川優子)
・青年期の事例から学んだ心理士の役割―ある精神科クリニックでの仕事より (徳田安奈)
■その他の医療領域における臨床心理士
・高齢者医療における臨床心理士―認知症患者と介護者とのかかわりを中心に (杉山秀樹)
・HIV臨床における臨床心理士―慢性疾患へのかかわりという視点から (紅林洋子)
・緩和ケアにおける臨床心理士―心理士に出来ること、求められること (垂見明子)
・生体臓器移植分野における臨床心理士の仕事
―アセスメント・聴き取り共有すること・他科スタッフに伝えること (島崎裕美)
■学校カウンセリング・学生相談における臨床心理士
・スクールカウンセラーが出会う学校の危機―危機介入する臨床心理士の仕事 (鈴木 誠)
・学生相談室における臨床心理士―個別のかかわりを中心としてこころの発達を支える (田中美砂子)
・大学付属の相談センターにおける臨床心理士―「臨床」「教育」「研究」の三つの役割 (田所摂寿)
■開業心理療法における臨床心理士
・街のちいさな相談室―私設心理相談室ならではの仕事 (堀 恵子)
・病院心理臨床から個人相談室での心理臨床へ―移行期における心的現実性をめぐって (北村晃一)
■虐待・子育て支援における臨床心理士
・虐待・子育て支援における臨床心理士―親子関係を見守り、支える仕事として (柴田俊一)
■アメリカにおける臨床心理士
・ニューヨークの精神分析家たち―資格とアイデンティティ (富樫公一)
■臨床心理士になってみて
・臨床心理士としての過去・現在・未来―クライエントの求めるものを探して (佐野直哉)
・関係性のもつ意味 (塩山二郎)
・臨床心理士になってみて (岡 秀樹)
・自己理解の重要性への自覚―臨床心理士になってみて (北村晃一)
■おわりに/臨床心理士になろうと思っている皆さん
臨床心理士に出会おうと思っている皆さん (佐野直哉)