出版社内容情報
軽度発達障害というラベルは、知的に問題がないか、あっても軽微だが、学習面・
行動面での不適応に陥った、通常学級の子どもに多用されている。心理・環境要因に
偏重した「こころ」の捉え方が消褪した今、脳の機能不全を想定した複合スペクトラムは、
教育に「枠」の復活や医療との接近を迫りながら、着実に浸透しつつある。
【目次】
■座談会/「軽度発達障害」は教育と医療とのインターフェイスになりうるか
(上野一彦/横山浩之/中根 晃/石川 元)
■スペクトラムと呼ばれるファントム
・統合失調症スペクトラム障害の「スペクトラム」とは何か (阿部隆明)
・自閉症スペクトラム障害説
―援助対象が「スペクトラム」でなければならない理由 (佐々木正美)
・スペクトラムとしてのチック障害(斉藤卓弥)
・重ね着症候群と軽度発達障害(衣笠隆幸)
■微細脳損傷―言語性・非言語性学習障害―軽度発達障害は纏綿たる奔流か
・微細脳損傷・微細脳機能障害の今日的意義 (星野仁彦)
・DAMP症候群と軽度発達障害 (平林伸一)
・「軽度発達障害」という「診断」を設定することで発見されるもの、隠蔽されるもの (生地 新)
・ADHDは発達障害か? (原 仁)
・いわゆる軽度発達障害に境界知能/軽度知的障害を加えるかどうかと言う背景 (小枝達也)
・LD・ADHDを発達障害に含めない見解について (磯部 潮)
・なぜ軽度発達障害という名称が用いられないのか (島 治伸)
・発達障碍とは何か―関係発達の視点による「軽度」の再検討 (鯨岡 峻)
・インターネットにおける軽度発達障害 (吉川佳余)
■マージナルな知力
・通常の学級において不適応を来す境界知能・軽度発達障害(1)
―学業上の問題 (長尾圭造)
・通常の学級において不適応を来す境界知能・軽度発達障害(2)
―クラスメートとの問題 (長尾圭造・北畑 歩)
・高校・短大・大学での軽度発達障害の現状及び対応策 (佐藤克敏)
・通常の学級を卒業し運転免許も取得している
―成人後に顕在化した発達障害について (市橋香代)
■関連障害と近接領域
・子どものうつと軽度発達障害 (傳田健三)
・てんかん/異常脳波と軽度発達障害 (川崎葉子)
・摂食障害と軽度発達障害 (井口敏之)
・軽度発達障害と児童虐待との微妙な位置関係 (田中康雄)
・反抗挑戦性障害/行為障害と軽度発達障害 (原田 謙)
・不登校と軽度発達障害―アスペルガー障害を中心に (塩川宏郷)
・青年期のひきこもりと発達障害 (小林真理子・近藤直司)
■矯正から学ぶ
・少年犯罪と軽度発達障害―家裁調査官の視点から (藤川洋子)
・発達的な視点を導入した矯正教育の取り組み (品川裕香)
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