出版社内容情報
富裕化社会は、主体的な対人関係を抑制し、対人的なコミュニケーションを回避する傾向を促し、
対人関係を発達させていくための基本的な条件を奪うように機能しているという認識から、
本当の対人関係とは何かに気づき、その対人関係を生きることによって、人間に対する信頼や
絆を回復させていく道筋が展開されている。
【目次】
・プロローグ/なぜいま対人関係なのか (畠中宗一)
・座談会/対人関係の再発見 (北林才知/水戸部賀津子/佐藤俊一/畠中宗一)
■対人関係の基礎
・ウィニコット―育児論を中心に (野澤正子)
・サリヴァン (木村直子)
・クライン (鵜飼奈津子)
・メルロ=ポンティの対人関係論 (石井秀夫)
・早坂泰次郎とその人間関係学―「関係性の発見」と「良心的エゴイズムの克服」 (足立 叡)
■対人関係と発達
・乳幼児の対人関係 (野澤正子)
・生徒の対人関係 (田辺昌吾)
・大学生の対人関係 (畠中宗一)
・かかわりの中での「実存の覚醒」―トレイニング・グループと対人関係回復の可能性 (北林才知)
■対人関係と組織・コミュニティ
・労働現場の対人関係―うつ病と自己愛 (大野正和)
・医療現場の対人関係―乳がん患者会の「病いの語り」に見る支配と共創の関係性(川村尚也/濱井和子)
・幼稚園の対人関係 (古市久子)
・保育所の対人関係 (堀 智晴)
・コミュニティの対人関係 (畠中宗一)
■対人関係と支援
・援助専門職の対人関係―よい関係で失っているもの (佐藤俊一)
・特別養護老人ホームの対人関係 (小松一左美)
・小児病棟の対人関係―看護師と子どもの一日 (友田尋子)
・ケアハウスの対人関係 (畠中宗一)