出版社内容情報
従来から自殺防止に関しては、予防、危機介入については不十分ではあったが、
それなりの努力が払われてきた。しかし事後のケアについての認識や対策は
疎かにされてきた。未遂者や遺された人たちへのケア、つまりサバイバー・ケアが
いま重要な課題となりつつある。
【目次】
・座談会/自殺予防の新しい動向 ― ポストベンションについて
(日下忠文/若林一美/斎藤友紀雄)
■自殺とその後のケアをめぐって
・自殺と精神疾患 ― うつ病を中心に (日下忠文)
・自殺と未遂、そして遺された人たち
― 彼らに癒しと慰めはあるのか (斎藤友紀雄)
・遺された人たちのグリーフマネージメント
― セルフヘルプグループの事例から (若林一美)
■医療と地域におけるケア
・自殺未遂者の救急対応と外来での治療 (渡邉博幸)
・精神病院における自殺未遂者への対応 (小澤公良)
・自殺未遂者へのケア (西原由記子)
・遺された家族へのケア (石井千賀子)
・自死遺児へのケア (西田正弘)
・学校における自殺予防―自殺未遂生徒へのポストベンション (阪中順子)
・自殺によって恋人を喪った女子学生への悲嘆ケアの旅 (山本 力)
・自殺報道と群発自殺 ― マスコミと地域の役割 (高橋康弘)
■愛する家族を亡くして
・自死した長女の遺したもの
― 永遠のいのちを教えられて (長内久美子)
・息子を自殺で亡くして (谷 永脈子)
・父を自殺で亡くして (山口和浩)
■グループによる自殺後のケア
・遺された人々への集団カウンセリング(ディブリーフィング) (下園壮太)
・自殺予防 支援団体の取り組み (山口律子)
・サバイバーケア ― 当事者グループの形成とその課題 (藤井忠幸)
■特別寄稿 遺された者のスピリチュアリティ―私の人生においてその意味を問う
・ある自殺をめぐっての省察 (三永恭平)
・貴方の後を歩く私 (浅野泰巌)