内容説明
『舞姫』の美しきヒロイン・エリスは、そのファミリー・ネームからユダヤ人だと判明した。しかし、なぜ鴎外はエリスをユダヤ人だと明確に書かなかったのか。またそれなのに、なぜユダヤ人であると作中のいたる所に散りばめたのか。そして、鴎外自身のベルリンでの実際の恋愛体験は。
目次
第1部 エリス、ユダヤ人論(『舞姫』再考―エリス、ユダヤ人問題から;原作『舞姫』への理由なき反抗;「エリス」再考―五歳年上の人妻だったのか ほか)
第2部 エリーゼとは誰か?(来日したエリーゼへの照明―「舞姫」異聞の謎解き作業の経過;エリーゼの身許しらべ)
第3部 ベルリンのユダヤ人(森鴎外『舞姫』の舞台―ベルリンのユダヤ人(二)
『舞姫』と19世紀ユダヤ人問題
『舞姫』におけるアルト・ベルリンの地誌―「クロステル巷の古寺」とパロヒアル・シュトラーセを中心に
「エリス」の肖像―ドイツ女性の社会史からの照明
森鴎外『舞姫』の舞台・三説)
著者等紹介
荻原雄一[オギハラユウイチ]
岐阜女子大学
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