内容説明
『歌謡圏史5』を加える前四巻は、著者の著作集を出すのに、学位論文を発表した『日本歌謡圏史』を分量の関係で1、2の二巻にして『続日本歌謡圏史』を3とし、新たに4を編んで併せ、集の柱としたのであった。続いて著者のエッセイ・シリーズにも『歌謡この浮気者』の一巻を加えた。その後も九十歳を越える長寿に恵まれ、軽い物が多いのではあるがこれまでの物の補いになると思われる発表物も数を成して来たので、エッセイ・シリーズ登載の分から廻したいと思う物にも必要な加筆処理をして併せ、補遺篇あるいは補説篇と謂えそうな『歌謡圏史5』を編成することとしたのである。
目次
歌謡圏・歌謡圏史の課題
歌詞の律調
「はやす・はやし」から「謡いはやす」と「はやし詞」まで
歌謡を支える鳴り物
日本の歌謡の伝統音楽面
『詩経』の存在と『詩』の規範性
『毛詩』大序の「后妃之徳」と『万葉集』開巻第一の「天皇御製歌」
共有財としての歌謡による「かがひ」の掛け合い
「うはなりとこなみ」から「うはなり打ち」の歌謡に及ぶ系譜
仏教歌謡史乃至仏教讃歌史補説〔ほか〕