内容説明
本書は十六‐十八世紀の東アジアをフィールドに、直接的・間接的にかかわり合う各国の史料を駆使して、東アジアの国々の交渉の実態を描き出し、東アジアの多国間の関係を検証する。特定の国や地域の歴史にとらわれず、明清中国・朝鮮・日本・琉球・シャムの事例を取り上げることで、各国の「対外関係史」をベースにした東アジア国際関係史研究では見えてこない側面を浮かび上がらせる。
目次
序章 東アジアの多国間関係史を考える
第1章 明の対外政策と冊封国暹羅―壬辰戦争におけるシャムからの借兵論を手掛かりに
第2章 勘合とプララーチャサーン―田生金「報暹羅國進貢疏」からみたシャムの国書と対明・対日関係
第3章 日本の琉球侵略後の明の対日警戒
第4章 日本のキリスト教禁制による不審船転送要請と朝鮮の対清・対日関係―イエズス会宣教師日本潜入事件とその余波
第5章 三藩の乱時期の日本の情報収集活動と朝清関係
第6章 冊封使李鼎元の琉球認識と清・琉球・日本・朝鮮四国の国際関係―柳得恭手稿本『燕臺再游録』をもとに
附章 柳得恭『燕臺再游録』の諸本と遼海叢書本のテキスト問題について
終章
著者等紹介
木村可奈子[キムラカナコ]
2014年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。現在、滋賀県立大学人間文化学部地域文化学科講師。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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