出版社内容情報
水野忠精を題材とした老中の情報収集を軸に、幕末期の老中による政治情報収集の実態と情報内容、扱われ方を実証的に分析。
内容説明
本書は、水野忠精を題材とした老中の情報収集を軸に、同時代の他の事例も交えて、幕末期の老中による政治情報収集の実態とその情報内容、さらにはこれらの扱われ方を実証的に分析することで、基本的な老中の情報収集ルートの枠組を明らかにする。悪戦苦闘と挫折をくり返しながらも国政を支え続け、結果的には敗者となった水野忠精ら幕閣の政治活動にも、明治新政府樹立への踏み台としての役割を認め、一定の歴史的評価を与えた。
目次
序章 言葉としての「情報」と「風聞」「風説」
第1章 老中と情報に関わる諸問題
第2章 島津久光卒兵上京・江戸出府に関わる情報収集
第3章 将軍家茂上洛をめぐる情報収集
第4章 攘夷・鎖港問題をめぐる情報収集
第5章 元治の庶政委任と老中の往復書翰
第6章 禁門の変に関わる情報収集
第7章 長州藩・天狗党・外交問題に直面する幕閣と情報
第8章 水野忠精老中罷免をめぐる諸問題
第9章 彦根・土浦両藩とオランダ風説書
終章―まとめにかえて
著者等紹介
佐藤隆一[サトウリュウイチ]
1956年東京都生。1980年青山学院大学文学部史学科卒業。1987年青山学院大学大学院文学研究科史学専攻博士課程単位取得済退学。現在、青山学院高等部教諭。洋学史研究会・明治維新史学会・日本歴史学会・地方史研究協議会・日本史研究会各会員。専攻は日本近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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