感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
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川端康雄「ジョン・ラスキンとセント・ジョージのギルド」(20-30頁)。『フォルス・クラヴィゲラ』はイギリス労働者・勤労者への手紙。運命、その棍棒を持つ者。あらゆる種類の有用労働に勤しむ者への手紙。生に必須な清浄な空気、水、大地。賞賛、希望、相(22頁~)。今や日本人は放射能のせいで、早かれ死んでしまう。清浄とは程遠い放射能だから。彼の社会観は家父長主義的、中世的な階層秩序を是とする。2015/12/24
鵜殿篤
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日本だけが特殊だったわけじゃないということを具体的な例で知ることができた、とてもよい本。明治期に日本美術の特殊性が云々されるようになって、それについての研究は岡倉天心がらみで非常に多いけれども、実はその動きは特殊日本的なものではなくて、イギリスのアーツ&クラフツ運動とか東欧のナショナリズムなど世界的な動向とリンクしていたわけで。さすがに一次資料から読むわけにはいかないから、こういう本はありがたい。