感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
桑畑みの吉
3
梅毒の患者数がここ3年程高止まりしているらしい。南米→欧州→中国を経由して日本に持ち込まれたのは1510年頃だった。500年以上も絶滅することなく最近は感染が再び拡大傾向にある。2005年6月刊行の本書はその梅毒の歴史に関する各種論文を集めたものとなっている。杉田玄白が患者の7~8割は梅毒だったと言うほど江戸時代に蔓延していたが、どこか自嘲的な部分もあった。そんな江戸時代の性病観の推移、科学未発達の中での治療方法(特に温泉)、幕末以降に諸外国の圧力の中で近代的治療の確立が各章のテーマとして論じられている。2024/04/12




